double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダー鎧武 第36話「兄弟の決着!斬月vs真・斬月!」

こんなのは決着じゃないんだよ兄さん!

先週からの続きにわーわーひーひー言いながら見てました。全国的にそうだったのではないでしょうか。
弟の暴挙にたまらず飛び出した貴虎。紘汰と貴虎という二人の兄に自分の黒さを見せつけてしまった光実。事態は抱き合うように転げ落ちていく…

兄弟の対決

というわけで、一見すれば、悲しい兄弟同士の決闘ですが。でも、そんなんじゃなんの解決にもならないんだよ、兄さん!
もう、「レデュエてめえ!」ってなったね。そこをどけ!

貴虎は間違ってる。勝つか負けるか、滅びるか滅ぼすか…結局のところ、そんな二項対立の考え方が自分も弟も追いつめたんじゃないか。
道を踏み外した相手を刺し違えてでも止める…って、なんというかオトコの考え方すぎるよ(男性の方、すみません)。
だって、それはつまり…ほら、

成功しなかったとき、相手がより暗いところに落ちるだけなんだよ!つまり、今回だ!
ああ、ミッチの影がさらに濃くなった…

一方でそれで成功していたとしても、貴虎がその罪を背負いさまようことになるだけで、言っちゃあ悪いがそれは貴虎だけの問題で、なんの発展にもつながらないんだよ。そんなの、弟がかわいそうだろう?

なんというか、狭い!二人して狭いところにいる!
「お前のような兄がいたら、光実も道を踏み外さずに済んだのかもな」…ってやっぱりズレてるよ兄さん。そうやって、誰かがどうにかしてやったら、って考えること自体が、弟を縛るんだよ。だいたい、紘汰はすでに兄貴分としていたわけで、それでこれだから結局変わんないよー。

貴虎も結局、がんじがらめだなあ。まあ、それをオトナじゃない、コドモだね、とは言わないけど。こんなオトナいっぱいいるもんな。…ちなみにわたしは大人=一人前とは思ってないのです。大人でも一人前じゃない人いっぱいいるからね。
親御さんは死んではないんだね、ちょっと意外。もしかしたらユグドラシル本社の人なのだろうか。
とはいえこの回で、ようやく脆さを認めた貴虎も、泣き言をもらせるようになったミッチも、好きになった。
なったからこそ、ミッチを救ってやってほしいのだけれども…どうしたらいいんだろう?
作中で死ぬ/死なない、味方になる/ならない、なんて程度の話ではなくてさ。
彼があれだけかたくなに思い込んでしまったものを、完膚無きまでに壊してやることが救いになるのかもしれないな…あんなのは、信念なんてものではないさ。

というわけで、紘汰には間に合って欲しかった!断罪するのではない第三の道が欲しかったのに…レデュエてめえ!

怒り爆発

久しぶりにテレビの中の敵に本気でムカついたのですが、それに合わせるように紘汰も怒ってる!
というか、もしかしたらこれまでで一番怒ってるんじゃないか?という気迫。
監督が柴崎さんというのがさらにかもしれん。筆圧(?)の強い演出が、テレビのこちら側とあちら側の怒りにシンクロしておりました。なんか歯を食いしばっていたね、あの戦いは。

新しい曲もよく合ってました。かっこいいぞ!配信はまだか!

レデュエが仕向けなくても事態はこじれてたとは思うので、そう仕掛けたことよりも、兄弟を(とりあえずは)止められたかもしれない紘汰を邪魔したのが許せん。

本当の強さとは

しかし、こんなことになって精神的に大丈夫かしら…と思っていた紘汰ですが。心配なんぞまったく無用でした。っていうか、

悔しいさ!…でもな…
人をだまし続けるのは もっと辛いんだ

そうか…裕也の一件、ちゃんともうそこまで、身に染みて受け止めていたのか。
無根拠な強さではなく、あのステップがあって今ここにこうしている、というような脚本の積み重ねが好きです。

ここも好きだなー。

ただビートライダーズを利用するだけなら
シドが錠前ディーラーをやってるだけで十分だったんだ

ミッチは俺たちの友だちでいるために嘘をついていた
嘘をついてまで友だちでいたいと思ってくれてたってことだ

単純に好きだから、じゃなくて、ちゃんと理詰めでも信じていられるところが良し。それが理解だと思うんだ。
紘汰はたくましくなってるなあ。

そして、舞。

呉島光実を敵とみなして諦める
ただそれだけの判断が どうしてそんなに難しいんだ?

という戒斗の問いかけを受けて、

それは弱い考えだもの!

間髪入れずにこの返し。

そんな弱さ許せない。そこだけは戒斗と一緒だよ

わたしは友だちを諦めるような 弱い人間にはなりたくない

彼女にはなんの力もない。けれど、ある意味だからこそ、誰よりも初めからブレずに立ち向かっているのが舞。彼女もまた、無根拠に強さを振り回すのではなく、弱さに屈しないという前向きさが好きです。
ついに戒斗も認めたよ!
とはいえ、たぶんその真っすぐさがゆえにミッチに手が届いていない気もする…
あとは差しのべられた手の意味にミッチが気づけるかどうかだなー…

悪がすべからく怪物の姿をしているわけではない

人間関係のドラマが突き進む一方で、ちょっと気になる問いを戒斗が発していましたのを拾いますよ。

話しても駄目だった奴と お前は戦ったばかりじゃないのか!

もし呉島光実の頭の中が本当に化け物と同じだったら
お前は今度こそ戦えるのか?あいつと!

おう、そこ触るのか!

そうなんだよなあ。結局、初瀬の一件も、じゃあシドが手を汚さなかったらどうしたの?って問題に答えを出せてないんだよね。

怪人と同じ姿になってしまったのが仮面ライダー。でも、心は人間の味方だから…という話がこのシリーズの主軸なわけですが。
その反対のときはどうするのか?
基本的に子ども番組なんで、悪役と決定したら怪人にされちゃうのが通例でしたが。こいつぁちょっとハードだぜ…
この一言で終わらすのか、それとももっと触れるのか?頭の片隅に置いておこう。

それにしてもこの場面、セリフだけみると戒斗はただ糾弾しているように思えますが、実際はなんか戒斗もこらえながら言っていたように感じました。良い場面でした。
戒斗はなんにも感じないで踏み越えるんじゃなくて、そういう情を甘えだと振り切っていこうとしているだけだもんな。だからこそ反対の道を結果を出しながら行こうとする紘汰が気にかかるんだろうなあ。

もう一つの異変

そんでもって、そんでもってですよ!
戒斗の腕が切られて、「ああ、貴重な戦力がー」とかのんきなことを言ってたのですが…
ええ!?それ、なにフラグ?いやちょっと…そういう対立のさせ方…ええー!?

そんなさなかに映画コラボ回ですが、どうやら戒斗にスポットが当たるようなので、もう慌てず騒がずむしろ戒斗キャラ立ち回として期待して見ます。