double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

特命戦隊ゴーバスターズ 最終話

リベンジです。

ゴーバスターズ最終回!
この日ばかりは録画組も早起きしてリアルタイム視聴しましたよ!最高画質で録ってるとはいえやっぱり本放送のがキレイだなあ。

思えば一年前、オーズコンビの戦隊ということで「とりあえず1、2話観てみるか」くらいの気持ちで第1話を録画して、いきなり惚れてしまったんだったなあ…

おもしろかった!という言葉にするには重いもののある話でしたが、とにかく一年間毎週楽しみでした。

ネタバレですので畳みます。

おもしろかった&イイ話だった…
長くなるのでちょっとまとめます。

Aパート

OP無しのアバン〜タイトルカットから。最終回って感じで緊張感が高まるぜ…
亜空間到着から話はスタート。エンターをなんとか一時沈黙させてみんなで陣さんの格納庫へ向かいます。

最終話ということですが、実はすでに大きなストーリーはもう終わっているんですよね。というわけで、残すところは最終決戦のみ!よて肝はどうエンターを倒すか――というか、ヒロムの中からエンターのバックアップデータを取り出すか、になるのですが。
ヒロムの最終手段(心中)でも解決できなかった問題も、たった一つ方法はあるのでした。
その方法は――陣さんを犠牲にすること

ちくしょうやっぱりか!

視聴者のみんなが「できれば回避してくれ」と願っていたのに!

そんな「やる」と言ったことは必ず貫く靖子キビしさ…ですが。わたしはでもこれ、いい描き方だな、と思いました
陣さんの「13年余分に生きられて良かったな」が良かった。ああ、大人だなって。思ったのですよ。

もちろんハイそうですかとは言えずぶつかり合う四人とバディたち。Jが辛そうなのが辛いよ。
陣さんの(松本さんの)声がひきつれていてすごかった。
最善のためにその場で一番必要な手段を選ぶ。キビしいけど、それがマジってことだ。
ヒロムと陣さんが抱き合うところが、もうたぶん演技じゃなくて、すごい良かった。ああみんな生きてるなあ…

そしてついに決断のとき…
復活したエンターを青と黄、Jとニックで引き受け、ヒロムと陣さんは作戦を実行。Jにニック手が貸してエンターをせき止めている間にエンターのバックアップデータは陣さんの本体とともに消滅したのでした…
……
しんみりしている暇はない!最終決戦、まだまだ続きます!

Bパート

バックアップが消えたことでエンターは悪レッドバスター(もどき)の姿を解きました。しかしゼータクな設定だったな…。ゴーバスターズ勢ぞろい!バディロイドも一緒だぜ!
ここで戦いはロボ戦へ移行。エンターは切れる札が多いな。
合体ロボが次々出ます!ライオーもきたよ!(ところでライオーが飛び出してくると「助けに来てくれた!」って感じがしてテンションが上がります)
まあロボ戦はクリスマスでいやというほどやったのでここはあっさりエースがしとめる。
でも「今までにない動き」って!そんな手があったのかよ!今までもやっとこうよ!…けどエースの高速攻撃が超かっこいいから許す。
敵メガゾードも削除成功!そして今度こそ…エンターには切り札はない!やっと追い詰めたぜ!

てなわけでこれが本当の最後の決戦、VSエンター・ユナイト!いやーユナイトは超かっこいいなあ!どうしようフィギュアーツが出たら買ってしまいそうだ…危なすぎる…
ゴーバスターズも総力出します!久しぶりの名乗りモード!バディもいるよ!
しかしエンター・ユナイト、強い、強すぎる!
なにが強いって、五人総がかりなのに一撃も浴びないんですよエンター・ユナイト!超かっこいい!全部捌ききっとるやんけ!
ドカスカバキじゃない強さの表現っていうすごいことやってると思うんですが、たぶん世間的にはわかりにくいんだろうな(苦笑)。大好きだけどな!

吹っ飛ばされるゴーバスターズ。面がバキバキだよ。君らこれ多いな!
エンターとつばぜりあうヒロム。
「不完全だから人間なんだ」…ああヒロム、大きくなったなあ、ヒロム…
そこからの「だから思いを託す」「つながっていく」という台詞が良いなあ。
「仲間を捨てるお前と人間との決定的な違いだ!」
仲間も裏切る敵と仲間を大切にするヒーローという対比は基本ですが。実際エンターはそれをして自分を孤独においやってしまったのがあるわけで、この事実はエンター的にも視聴者的にも理に叶っている。そゆとこ好きです。
咆哮をあげるエンターは、図星をつかれたのかもしれないな…
また、完全な存在であるエンターと不完全な人間であるヒロムというのも主人公と敵が表裏一体っていうのはやっぱりきれいな構図です。

そして。最後のぶつかり合い!ボルカニックアタックVSボルカニックアタック!

…全員の力を合わせて。ゴーバスターズ、押し勝った!

やったー!とうとう倒したわー。エンター倒すのマジ大変だったよ…強いのもあるけどなにより厄介だった…

爆発の衝撃を受けて亜空間もとうとう消滅。やりきった感にのまれて横たわったままのバスターズ(わあ陣さんいねえや…)に残存データの最後の力で陣さんとヒロム父が声をかける。「お前ら、死ぬのはまだ早い」そうだね、若者はまだまだ明日があるのさ。

エンドロール

うう旧OP流れる中エンドロール…この曲いい曲だよなあ。
すべてが終わった後の、後日談的日常が描かれる。うん、最後なんだなあ。
ヨーコは高校に編入。…大丈夫か?浮かないか?そして司令部ははしゃぎすぎ(笑)
リュウジはエンジニアの道へ。もう白衣着て、そんなすぐ就けるのか?ってつっこみはこの際無粋だ!ゴリサキ一緒にいれる職場でよかったね(笑)
Jは森の管理人…って一番予想外だったわ!でも妙に納得するわ!…陣さんがもう見れない、そして陣さんに託された「おもしろい世界」を見守っていくのかな。あの積み木をネックレスにしてるよ…

みんながそろってイイとこな感じのする桜田家でヨーコちゃんの編入祝いでにぎやか&なごやかパーティー。もうみんな道はバラバラだけど繋がりは消えないんだね。

ヒロムはお姉さんとのんびり過ごしていたみたい。姉さん孝行かもね。
でもそれは青と黄がそれぞれ自分の線路に乗っていったのとは対照的で…

夕陽を眺めるヒロムとニック…祝祭的画面から一転、しんみりとします。
「これから、どうする?」
ああそうだなあ。もしかしたらヒロムは夢を叶えてしまったのかもしれないね。
だからちょっと立ち止まるのかもしれないね。
これから、別の、ある意味で本当のヒロムの人生が始まるのかもしれないね。
「そうだなあ。ゆっくり考えるよ。13年ぶりに」
「付き合うぜ」

ニックはイイ奴だ…
二人が一緒なら、なにがあってもきっと大丈夫。

バイクモードになったニックに乗ってヒロムは走り去る。どこへ?たぶん、未来へ。
行きな、ヒロム。君の進む道はきっとまっすぐに、どこまでも……


特命戦隊ゴーバスターズ、完

ありがとう、さようならゴーバスターズ…


次はVシネマで会おうぜ!(笑)

余談1 託すということ

『ゴーバスターズ』のテーマは「絆」だったわけですが。
それが最終的に「託す」に収斂していったのが良かったなあ、と思いました。
「補い合う」んじゃなくて、「託す」。広がりのある言葉だと思います。その意味には実は託す方にも託される方にも厳しさがあるんだけど。その厳しさが、好きです。

完全なエンターと不完全なヒロム、と言いましたが。ヒロムはもともと努力もする天才肌で、自分にも他人にもハードルが高かった。完全主義と言ってもいいかもしれません。だからある意味でエンターの理想にもっとも近かったのかもしれません。
そんな彼も、特命部にきてから他人の欠点を受け入れること、自分の長所が短所にも成りうることを身につけ…そうすることによって、より広い視野が持てることを体感しました。
不完全であるから前に進める。完全であるときよりも。

また、「託す」ということはつまり、自分を律するだけでなく、相手を信用する度量も問われます。
つながって花開いて…でもそれを自分は知ることが出来ないかもしれない。でもそれを信じることで、もっと大きな可能性を生み出すことが出来る(クリスマスがこんな話でしたね)
進むのは自分でなくても構わない。だから自分は前に進める。逆説的だけど、そういうことなのかなって思ったりしたのです。

余談2 陣さんの消滅

犠牲、と言いましたが。実はそうじゃないよなあ、と思います。
自己犠牲という言葉には主観的にはナルシスティックで客観的には悲劇的な(言い換えればロマンティック)な響きを内包していますが、今回の陣さんの決断にはあまり似つかわしくないように思うのです。
たぶんこれは責任を引き受けた、という方が近いような。
まず、自分の意思ではないとはいえ、13年前子どもたちに戦いの義務を負わせています。
そしてまた研究所の仲間たちを――そう、ヨーコのお母さんを――ヒロムたちとともに削除しています。
いままた、仲間が、世界が危機にさらされていて、それを解決できる最短のベストがソレならば。選ぶよな、と思うのです。

「13年余分に生きられて良かったな」
13年は陣さんにとっては余りの人生だったのかもな。でも、最後の半年、ヒロムたちとバカやれて、それはすっごい贅沢な時間だったんだろうな。だから。

自分が陣さんと同じ立場になったなら。
だから陣さんはきっと、自分がバラバラに砕け散ったとき、悲しくもあったけど、爽やかでもあったと思うのです。

あ、あと、陣さんが砕けるときに黒りんが反応したのと、最後に幻影のように黒りんの前に姿をあらわしたのが良かったです。いや、陣さん黒りんコンビ萌えの話ではなくて。託せるだけじゃなくて、共有できる人が陣さんに残ってたんだって思ったら、なんか救われた気持ちになったんですよねえ。
Jもゴーバスターズの三人も結局陣さんには子どもみたいなもので。だから彼らに託すのは陣さんにも痛みがあるんだけど。黒りんなら受け止めてくれるから。
同期設定が効いたよなあ、この話。

余談3 『ゴーバス』その魅力

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