仮面ライダーウィザード 第38話「奪った希望」／第39話「ピッチの忘れ物」

先日、こんな記事↓を書いたわけですが。
ひとつの到達点としての『仮面ライダーウィザード』 〜「真っ当」という特殊さ - double standard
ここでわたしは「晴人には戦うモチベーションがない。それが一周回って新しい」というような内容のことを述べたわけです。
とか言ってたところで、第38話と第39話です。すわ一大事！やっべー論を立て直さなきゃいかんかい、と身構えて観たわけです。が。

あれ、印象変わらねえなあ。

やっぱり晴人くん、ふつーの人のまんまだよ。

後出しにも作法がある

うーん。だって「すべての印象がくつがえるほどの衝撃の事実」ではなかったからなあ。
人を怪我させてしまいそのため自ら夢を捨ててしまった、というのが晴人くんの過去にあったと明かされたわけですが。その負い目を、ウィザードという特別な力で人助けをすることで昇華させてきた、というようにはどうしても見えない。アイデンティティの問題には見えないんですよね。たんなるちょっとした過去の逸話。
それはお前、自論というフィルター通して観ているからだろう！と言われましょうが、まあ待て。
じゃあちょっと見方を変えて、今までの記憶は全部消して晴人には過去があるというネタバレをあらかじめ持って頭から『ウィザード』を見るとシュミレーションしてみますと、この話出るの遅くね？そして後からまんをじして出すんなら、伏線足らなくね？

そういうモチベーションが土台にあるっていうんなら、もっと前に……せめてインフィニティになる前に出しておかないと。だって『ウィザード』の脚本は複数人で回してるんだから、あらかじめ伝えておかないと描き方が変わってしまうじゃないですか。そんでもってそういう風な人間だって描かれていないところにひょっこり過去ですって出されてもインパクトは薄いですよ。
で、じゃあ今さら設定を加えるんなら、もう今までの記憶が全部吹っ飛ぶくらいの強烈なものにしないと。だってもう39話やってるんですから。
というかサッカー選手（志望）という設定が「子どもが憧れるカッコイイ夢」というだけの意味しか見えないのが一番でかいような気がする……。晴人っぽい！とは全然思えないのですよ。だからアイデンティティに食い込んだ話に感じられないんですよ。

平成ライダーはライブ感ですから後出しで設定が増えることはままありますが、たいていそれでも、それまでしっかりキャラが濃く描かれておりさらにそれにのっとった膨らましをするから「こいつなら確かにこういう過去があってもおかしくない」みたいな納得があります。まあ出来てないのもありますが、わりとたいがい出来てるってのがこのシリーズの妙なところです。
でも晴人くんに過去の傷があってそれがサッカー選手だったころのこと、っていきなり言われても、意外性もなければ納得感もない。あ、へー、そうなんだって感じで。なんか仁藤の過去話のほうがどれもインパクトと納得があります、むしろ。

別に強固に自論を守ろうとはまったく思ってはないのですが。でもひっくり返されなかったなあ。
むしろ「『ウィザード』のキモはキャラの薄さ説」を推す身としては、このエピソードない方が良かったとまで言おう。おお暴論(笑）。しかしわりかしマジ。

それで君はなにしに来たの？

ところで今回、仁藤は特にいい奴だったですねえ。
ていうか、仁藤いいですよねえ。過去話のどれもおもしろいし。
なんですが、そうかみ締めればかみ締めるほど、この『ウィザード』における仁藤の存在意義が感じられないと思ってしまう……
仁藤の存在意義、『カブト』のドレイク並みですよ。にぎやかし以外の何者でもないっていうか、まだ天道と対立しただけ風間のほうが存在意義あったよ。（仁藤も風間も大好きですよねんのため！）
っていうか、晴人にぶつけないからより晴人のキャラが薄くなっているような気がします。

まさかのおっさんライダー

おっと、そうそう。もうすでにみなさんが通り過ぎたであろうリアクションをしておかねば。

…成志さん！成志さんじゃあないですか！！なにしてんですかこんなところで！

でもそれより吹き出したのが、来週のゲスト怪人が粟根まことさんかい！！！ってことです。一回こっきり使い捨てってもったいねえ！幹部キャラで使おうぜ！

ふう、まさかここに来てこの驚きがあるとはな。
とかいって池田成志のwikipedia見に行ったら、『電王』と『セーラームーン』にも出てたって…！？あれ、記憶にないぜ！？
なお『電王』ゲスト回は11話なんだそーですが。現在、youtubeの東映officialではなんとタイミングよく『電王』やっててしかも今現在が７・８回だっていうんですから、じゃあ成志さん登場回は再来週観られるんじゃないか！覚えてたら観よう。