double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダー鎧武 第35話「ミッチの箱舟」

ミッチィィィィ!!!それはアウトー!!!!!

って叫んで終わろうかとも思いましたが、まあもう少し彼には言いたいことがある。


世界中のクラックが活性化!東武ワールドスクエアかはめ込み画像か、フィレンツェ(ミラノじゃねえや)から天安門広場から、世界各地がインベスに襲われ始めてしまいました。
東京都内…というか埼玉県で話が終始しがちなライダーでは珍しく積極的な描写ですね。
しかし、これは…これは展開が早すぎないかい虚淵さん!最終話近辺の画だよ!いや、それ自体はいいんだけど、ライダー間に合ってない!間に合ってないから!あと10数話あるから!
作中時間では3日くらいだろうけども、見ている方にとっては「世界で被害が拡大している…助けてライダー!」って気持ちになっちゃうよ。いいのかなー?うーん…

とか言ってたらブラックスーツミッチで全部吹っ飛んだ。

うおあー、ミッチ!それはアウト!そんな装置を受け入れちゃダメ!
人によってボーダーラインはさまざまでしょうが、わたしはここでアウトになった。紘汰を後ろから撃ったのも、貴虎を見殺しにしたのも、まだ生きてるし謝れば許したけど(どうせあいつら許すし)、これはあかん。
しかも晶お姉ちゃんは助けないって、えぐいなー。

そしてさらに紘汰についに真実を明かす!蹴りがえげつねえ!

…いやまあ…
初見はドン引きでしたが、しかし見返していたらなんかミッチが憐れな気がしてきてしまいました…

知らない見ない気づかない

「あんたは希望という病原菌をまき散らす!」

すわ、主人公批判か!?と腰を浮かせかけましたが、いやいや待て待て。引っかからないよその手法には。
うむ、確かに紘汰は未熟で拙劣だ。
だけどミッチ。君、別にそこにこだわって今までやってきたわけじゃないだろう?
紘汰と意見が合わなかったのは事実。でもそれはなんでかって言ったら、紘汰のやり方は舞やみんなを傷つけるってミッチは思ったから。
ミッチの目的は、みんなを守ること。――いやさ、自分のやり方でみんなを守ること

だって、守るという目的だけなら、救うという目的だけならもうそれは終わっているんだよ。舞が直接通告したじゃないか。
「紘汰だからじゃない。同じものを見ている人だから」
状況は確かに悪い。ミッチのやり方なら命は助かるかもしれない、でも、舞はそれを救いだとは思っていない。
希望があったから舞は飛びついたんじゃないんだよ。紘汰を潰しても舞はミッチのところになんて来やしない。紘汰がいなくなっても舞は一人で希望を追うだろう。
だから紘汰を責めても、舞を力づくで追いつめても、ダメなんだ。

それにね、ミッチ、きみは気づいていないけれど――そうなればもしかしたら、あまつさえ違う人のところへ行ってしまうかもしれないんだよ。
それは――戒斗。
戒斗もまた、独自とはいえ希望を追う人間だから。そして、舞と気持ちをすべてではなくても共有しているんだよ。君の知らないところで。

主人公批判に乗ってあげたとしても、やっぱりミッチの言い分は通らない。だって、要はこういうことじゃないか――ボクの理想のヒーローじゃないから殺す。おいおい。
そりゃ、紘汰は危なっかしいよ。確かに力も人一倍持ってるよ。でも、唯一じゃない。
力を持たない人が、力を持つ人に軌道を修正してもらいたいっていうんならわかるよ。でも、ミッチは力を持っているじゃないか。ブドウアームズも、なんならメロンエナジーもあるじゃないか。
カチドキも極も向こうはもっているじゃないか、って?サガラに贔屓されているじゃないかって?
そんなこと言ったら、なんにも持たないのにのし上がってきている奴がいるんだよ、戒斗とか。わたしも戒斗はまったく信用してないけど、でも、ついに無視できなくなってきたよ。

目の前のライバルさえ倒せばすべて手に入るなんて、甘いんだよ!

…ミッチのどうしようもないまでの青さと知性のアンバランスは、いろんな人のいろんな傷に塩水を浴びせてるみたいですね。わたしはあまり感情移入したくないなーって距離をおいて見てるんですが、それでも飛沫を浴びてます。いてえ!

最近のミッチ見てると『DETH NOTE』の月を思い出すな…。彼もあんなノート拾ったばっかりに世界を道連れに暴走しおってからに…
救ってあげて欲しいけど、さすがにここまできたら無理かなー。やってることはアウトだけど、とはいえまだ十代の少年が自分の罪で破滅していくのを見るのは哀しいぜ…
人を失う怖さも、失わせる怖さも、本当にはわかっちゃいない。だからこんなことが出来てしまう。
ミッチよ…


「舞さんにふさわしい男だと思ってた!」
出発点はこんな幼い憧憬だと気づいたら、急に憐れになってしまったよ。憐れまれるなんて、一番いやな仕打ちだね…

希望と言う名の

さて、ミッチがついに豹変して見せましたが。紘汰はどうしたか。
というか、見ているこっちがですが。なんと、思っていたより胸が痛くなることはありませんでした。
というのは、紘汰が受け止めていたから。ああ、やっぱりもうきみは立ち止まらないんだね

「光実!」って叫ぶところがね。予告のときも、あれって思ったんだけど、やっぱり。
「光実ー!」って語尾を伸ばした叫び声じゃないんですよ。それだと、錯乱している感じになるんですけど、もしそうだったら「オマエまだここに及んで頭悪いんかい」ってなったと思うんですけど。
「…光実!」って低く唸る感じで。で、すぐに変身して立ち向かった。経緯はわかっていないんだろうけど、たぶんあそこで紘汰はひとつ受け止めたんだと思うんですよ。目の前の相手を、「ミッチ」という「かわいい弟分」から、「呉島光実」という「自分の知らない一面を持つ一人の人間」として。まあ深読みですけど。
たくましくなったな、紘汰。

これ、監督の指示かなー?脚本ではないと思うんですけど。佐野さん自身の判断だったら、紘汰というキャラにとって演者さんが占める比重の割合がさらに大きくなるのですが、わたしの中で。


舞の紘汰の評価がわたしもまったく同じで、だからわたしは舞も紘汰も好きなんだなあと思いました。

お兄様が見てる

そしてもう一人、真実を知って茫然とたたずむ男の影が…
わあ、お兄ちゃんかわいそー。

ううむ、なんか悲劇ですらないというか。だって兄さん蚊帳の外だもんな。

んでもって予告。落ち着いて兄さん!出てこないで!あなたの決断、たいてい良くない方に転ぶから!(ひでえ)

あと

リカの私服が、チームのときと落差があってかえって日常感があっていいなーと思いました。
しかしミッチってば自分に酔ってるから、ラットとリカにすら怪しまれとる…人望…

冒頭の戦いのとき、「野郎…!」と紘汰が手の甲で唇をぬぐうしぐさをしたのがなんか紘汰っぽくていいなーと思いました。
謎の闘牛戦法はなごみました。

今回は展開もさることながら役者さんがみんなすげえ表情するから引き込まれてしまいました。
特に二つ目のCM入るとこのミッチと、三つ目のCM入るとこの紘汰ね。なんちゅう顔するんだよ。

湊さんが出るとこ、足ばっか見てすみませんでした。