double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

アイデアにセンスはいらない


著者:梶淳
出版社: ダイヤモンド社 (2014/2/28)
言語: 日本語
ISBN-10: 4478026408
ISBN-13: 978-4478026403

ビジネス指南書というか、発想術の本です。「センスはいらない」とタイトルで言い切っているように、クリエイターなどの玄人向けではなく、初心者というか素人というか、いやそれよりももっと無垢な一般人を対象に、アイデアの出し方を紹介しています。

なんでこれをここでと言うと、著者がテレビ朝日のプロデューサーさんで、仮面ライダーの担当者さんだからです。wikiによると『響鬼』〜『W』までですね。戦隊では『ジェットマン』『カーレンジャー』あたり(見てないけど話だけはよく聞きます)、新『ドラえもん』の立ち上げにもかかわるなど、改変期に携わることが多いようです…ってプロデューサーやってればそういうものかもしれませんけど。
東映側やバンダイ側の話を聞く機会は多いのですが、テレ朝の方はあんまないので、以前から興味があったんですよ。それで本が出るというので買ってみました。

さて、ではさっそくそういう興味で買った結論から言うと…おもしろかったです。
最初にも書きましたが、アイデアの生み出し方のステップが本当に丁寧。つまり、具体的。ご自分が関係した作品を、名前を出すだけでなく、この場面をこうした、この設定をこうした、とはっきり紹介しているんです。たずさわったライダーはすべて言及されてます。
どっからどこまでが東映Pの意向でテレ朝Pなのかは、ぼかされているのではっきりはわかりませんでしたが、テレ朝の特徴としてはやっぱり売り込みが基本姿勢にあるのかな?悪い意味ではなくて、東映さんは特撮として、仮面ライダーとしてが基本の土台っぽいんですけど、テレ朝さんは視聴者にどう見せるか、見てもらうか、みたいなところの気持ちが強いのかな、と感じました。
個人的な収穫は、伝説の『カブト』のラテ欄についての話が読めたこと。あれはやっぱりテレ朝だったんかー。

イデア指南書としても、これはかなりいいのではないかと。
この手のものは学生時代に人に勧められて何冊か読んだことがあるんですが、正直、そこで紹介されているステップにすらまだ行けてないよ、という感想で終わってしまったんですよね。
この本はもっと噛み砕いています。もう、手とり足とり。それが、個人的な感想やエピソードをぽんぽん出すんですよ。なので勉強してるというよりも面白い人の話を聞いている、って感じです。たぶん、本当に右も左もわからないレベルの人の気持ちがわかるんでしょうね。拾うところが細かいです。わたしはこれ、よこしまな(笑)興味で買ったわけですけど、良かったです。…いやほんと、もう知ってるようなことを書かれてたら困るなあとか思ってたんですよ…

あと、やっぱり特撮とかアニメ番組が例に出ているので親しみが(笑)。東映版『遊戯王』がコケたのは知ってたのですが、なるほどこ−いうタイミングの悪さがあったのか。
『守って守護月天』とか何年ぶりに聞いたよ!

イデアというものに興味のある人は、読んでみて損はないと思います。わたしも分析好きとして、「なるほど、ここを気にしてこうなるのか」みたいな理解が深まりました。