double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダー鎧武 第44話「二人のめざす未来は」

ついに前回で整った人物配置が、さらにここから加速する44話。
沢芽市封鎖から本格化した、ライダー戦国時代こと黄金の果実争奪戦もついに佳境に入りました。
凌馬が敗れミッチも脱落し、黄金の果実をつかみとる資格を持ったのは紘汰と戒斗の二人と決定。
さらにはその栄冠を与える女神は舞…
さあ果たして!?

何回もぶつかり合いながら、それでも共に戦った時間だって短くなかった二人。
紘汰と戒斗、その二人の考えの違いをはっきりとさせた回でした。
人数が絞り込まれ、どんどん、突き付けられる選択肢が細く尖ったものになっていく。
問いに答えられた人間だけが残ってこれた、と言えるのかもしれません。
ああ、でも、だから…
紘汰の笑顔の強さに、びっくりしながら感動してしまうのでしょう。

紘汰の強さ

光実との決闘で瀕死に陥った紘汰。なんとか偶然にもペコとチャッキーに見つけてもらい、お姉ちゃんの手当てを受けることが出来ました。
よかったー、あのまま放置かと思って心配したよ!

深いこん睡の中、紘汰は始まりの女となった舞と邂逅します。
舞は運命を変えようと時間をさかのぼっていました。けれど、うまくいかず、いつしか紘汰と戒斗が激突する悪夢のような可能性の断片に迷い込んでしまっていたのでした。

ごめんね…と泣く舞が辛い。すべてを知っているのに何も出来ないのはなにより辛いもんな。
そんな舞に対し、紘汰がかけた言葉に、とてもびっくりしました。

バカだなあ 舞は
なんで全部一人で 背負い込んでるんだ?

ミッチに続いて、舞にまで「バカ」と!
むしろこれまで一番のバカだった紘汰が!

ああ、でも、これが、40話近く積み重ねてきたってことなんだ。

まさしく。紘汰は舞に言う。
自分が傷ついていた時、一人で抱えなくていいんだよ、と救ってくれたのは、舞じゃないか。だから、今度は俺が舞を救うよ。

舞 俺たち確かにたくさん間違えて たくさん苦しんだけどさ
だけど全部…全部自分で選んだ道なんだ

だから 運命なんて関係ない

運命が変えられなくたって そんなことどってことねえよ!
だってまだ未来は 決まっちゃいないんだからな

あんなに、バカだ、周りが見えないと揶揄されて。そんな紘汰が、いま、誰より強くなっている。
それはなぜか?未来を、自分の手でつかみ取ってきたからだ。たとえ失敗があったとしても。むしろその失敗のとき、ちゃんと傷を引き受けてきたからこそ、優しさや強さに触れてここまで大きくなることができたんだ。

あの紘汰が。いいや、あの紘汰だからこそ。
番組開始から見守ってきた彼に、いま、自分の方が逆に見守られているような気がしています。いつの間にか、追い越されていた。

そういえば、一番最初の紘汰の決意はこれだったんだっけな。
「誰かを励まし、勇気を与える力、それが本当の強さだ!!」
あのとき見つけた真理に、紘汰はついに到達した、と言えるのかもね。


紘汰の力強い言葉に、やっと笑顔になる舞。けれど、それも束の間…
運命は紘汰に休む暇を与えない。魔王となった戒斗との決着のときが近づいていたのだった…


戒斗の強さ

というわけで、もう一方の人外、戒斗さんです。
額を出すだけであんなに印象変わるんですね。新しい髪型かっこいー。

とか言ってる場合じゃないんですよ!

もうね、目が怖!こわい!30分ずーっとおびえてましたがな、わたし。
しかしインベスまで召喚して、沢芽市から外の世界へ討って出るとはデカく出た。
付き添う湊さんの目も怖い。この人がこんなに生きた目をするの、初めて見たよ…

そんな戒斗を止めようと、鳳蓮・城之内師弟が立ちふさがるもあえ無く撃破。まあ、ドライバーだけ壊されたってことは、手加減してくれたってことだよね…
それにしても、彼らの身になってみると本気でワケわかんないよなーと同情する。
2時間くらい目を離した間に、仲間が化け物になってるってどういうことだよ!
ザックは逡巡の末、戒斗側につくことに。えー、と思っていたら…ラストあの展開!熱い、熱いよザック!もう本当に、外伝くらい展開してもらっていいくらいの活躍ぶりだよー。

復活した紘汰は戒斗を止めんがため、その行く手を阻む。
しかし、怪我をしてるからって引き止められて「それどころじゃないんだ!」じゃねえよ紘汰!それどころだよ!いくら人外化して傷の治りが速くなってるからってそういうことじゃねえんだよ…

紘汰の前で、戒斗は決意を口にする。

あいつと再びめぐり合うためには 黄金の果実を手に入れるしかない

俺はこの世界を破壊し 舞と黄金の果実を手に入れる!
決着をつけよう 葛葉紘汰!

壮大な野望だと思ってついてったのに、女の取り合いを目の前で展開されたザックくんの心境やいかに。
そんな戒斗に紘汰がもっともなことを言う。

そんなこと 舞が望むはずないだろ!

それがどうした!

ああ〜…
なんか、ここでつくづく、戒斗がなんで強いのかを理解した。
こいつは、自分に対して全部引き受けて生きてるんだ。
「舞のため」とかなんとか、理屈に頼らない。だいたい、舞の強さを認めた戒斗なんだから、これが舞の方向性とは違うくらい理解しているもんな。それでも、俺はやる。なぜなら俺がそうしたいから。
だから力そのものに屈することはあっても、精神的にまいるようなことはなかったんだろう。
…ミッチになかったのはここだよなあ、たぶん…外側の理屈に頼ってしまうと、脆いんだよな…


そしてこの価値観の相違が、紘汰と戒斗の分かれ道…
たったひとりだけが足跡を刻み付けることのできる頂(いただき)。そこに行き着けるのは、紘汰か?戒斗か?
来週は30分バトルに費やすと見たね!金田監督期待!

次週決着?

…つくの?
そしてついたとして…そんな単純に話が終わるのかしら…?

余談 隠喩について

その1
前回に引き続き白いシャツがまぶしい紘汰くん
羽の中で息絶えるしな…いや、死んではないけど、でもあれそういうことだろう。


その2
第38話で、夕焼けのなか、紘汰と戒斗と舞がこれからについて話す場面がありましたね。
そのとき、カメラと人物の間にフェンスがあったのが気になってたんですよ。なぜなら、フェンスはOPで境界線の象徴として使われている小道具だから。
んで今から見直すと…人外化する三人=境界線を越える三人、って見ること出来ないですかね?
まあこの時点の脚本で監督にどこまで知らされていたかはわかんないんですけど。
でもそう思ったらおもしろくありません?どうですか?