double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダー鎧武 第43話「バロン 究極の変身!」(後篇)

そんな救いの糸が光実にもたらされて、コレですよ。

舞の決断・光実のゆくえ

舞、死亡…そして「始まりの女」に
っていうか、黄金の果実って物理的に取れるんかい!

いやーまさか、本当の意味でオルタナティブだったとは。謎の少女。
舞の狙いは、黄金の果実の力でみんなの運命を変えること。
「ただなにもしないで見ているよりはマシよ!」って、ああ、舞ならそうするよなあ…

サガラの言葉「時間の強制力は絶対だ。たぶん思ったことをしゃべることすら難しいぜ」から考えるに。
舞が伝えたい言葉と、既成事実が反発しあって、結果あんな警告めいたセリフになっていたんだろうね。
過去の映像をここで見返してみると、なんと確かに、しゃべるたびに口元がズレている!伏線だと〜!?

わたしは謎の少女が、なんとかみんなを止めようとしているように見えていたのですが、やっぱりそうだったんですね。
しかしそれが、男たちにとって戦うための決意を促すものになってしまったというのは皮肉な話だ…


さて、一方。これにて本当にすべてが水泡に帰してしまった光実ですが。
虚淵さんが光実をどうするのか、かなり気になっていた。
安易に救うのでは光実が道化にすぎるし、かといって安直に破滅させるのでは悪趣味にもほどがある。
と思っていたら。
救いの端緒は開くけど、その前に徹底的に壊す。とはねー。

すべてをもぎとって子どものように泣かせるとか、暗黒趣味だなあ…いや嫌いじゃないけど。その趣味。
泣きじゃくる姿に、ようやくありのままになれたようにも思えましたけれど。
しかしあの錯乱の姿、高杉さんすごいや…

とはいえ、東映公式の次回予告に光実のカットがまだあるところから見て、これで終らないと思いますが。思いますよ?

プロフェッサーの最期・戒斗の進化

なあ呉島の坊ちゃん 貴虎に教わらなかったのか?
なぜ悪い子に育っちゃいけないかその理由を?
嘘つき!卑怯者!
そういう悪い子どもこそ 本当の悪い大人の恰好の餌食になるからさ!

思わず書き起こしてしまった。
活き活きと光実くんをいたぶる凌馬。なんでこの物語の登場人物は、いちいち蹴りがエゲつないのか。

いやもう本当にムカつくわー。青木玄徳さんいい演技しすぎだわー。
悪というよりド外道だとわたしは思う。
しかしまさか、戒斗にやられることになるとは思わなんだ。

これはあれですね。湊さんに見込まれた男の新旧決着、ということか。
それにしても、あの角度でパンチ食らってなんであそこにめり込むんだ。

許さん…許さんぞ!
わたしのドライバーに頼らずに 人間を越えるなど!

わたしの才能が 研究が
唯一価値あるものなんだ
この世界の真理なんだ!

徹頭徹尾、実にマッドサイエンティストであった。
紘汰に対しての態度が変わったのは、紘汰がカチドキの力を手に入れてからだし、貴虎に見切りをつけたのは彼がベルトの力で頂点に立つという目標を共有しなかったからだし。
ユグドラシルを裏切っていたのはオーバーロードなどヘルヘイムの秘密を自分のためのものにしたかったからだし。
帰ってきてからはずっと記録をとることばかりしていたし。
ブレがないよ、本当に。

でも結局。紘汰には出し抜かれ、舞には黄金の果実を持ち逃げされ、こうして戒斗にやられ。
凌馬は実は、なにも成し遂げられなかったのかもしれない。それが罰なのかもね。

静かに目を閉じていったのが少し不思議な感じがした。こんな生き方を選んだのだから、終わりがどうなるかなんてのは、受け入れていたのかな、もう。



そんでもって戒斗。とうとう…とうとう!

貴様の真理など机上の空論!

俺の真理は――この拳の中にある

こいつも本当にしぶとくここまで来たよ!

とはいえ、単純に力が欲しいから、という理由ではなかったのが良かったな。
その前に、戒斗は舞と紘汰が失われたことを知らされている。
インベス化に賭けないと、勝つことはおろか生きることさえ不可能だったのだから、戒斗はずっとそれを考えていたと思うし、タイミングがいつになるかだけの話で、いずれ実を口にしていただろうけれど。
舞という心を惹いていた少女が失われ、紘汰という認めてもいいと思える男が倒されたと知って。戒斗にはもう、人間でなくなることにためらう理由がなくなっちゃったんだ。
湊さんはパートナーではなく、利害が一致してるだけみたいなところあるしな。引き止め役にはならない。

んで、ロード・バロン。テレ朝公式ではあっさりとインベスに分類されていて、頭を抱えましたが。
霧になるわ、植物を操るわ、完全にオーバーロードじゃないですか!
あ、でも人間体に戻れるんだ。良かった…
来週なにをやらかすんです!?

それにしても実を口にする前の小林さんの表情、すさまじかったですね。痺れた。
キャストの中で一人だけ、セリフ回しに苦労していた印象があるのですが。この表情でお釣りがくるぜ!
ロード・バロンになってからの低い声にも感心。どうやって出してるんだろう?

あと四話

しかしこうして見ると、カチドキロックシードが紘汰に渡されたときが大きなターニングポイントだったんだなあ。
ミッチはあそこで歪みが決定的になったし、凌馬も目の色が変わった。
オルタナティブ舞はあの回から姿を見せなくなったし。

ああそれにしても今回は、本当にすごかった。台詞がすべて光っていて、ほっとくと全起こししてしまいそうになって、感想をまとめるのに苦労しました。
そしてその台詞を使いこなすこの若い役者たちのポテンシャルの高さよ。
『鎧武』は本当にいいキャストがそろったな…

さて、主人公は瀕死・ヒロインは幽体化・ライバルは人外に、とちょっと目を離した隙にマトモな人間がいなくなっておりますが。
本当にどうなるの?
世界改変くらいしか大団円が思いつかないけど、『龍騎』という先行作品があるからなあ。あれだけキレイにやられちゃうと、「じゃあ同じネタで!」ってわけにはいかないよな。

龍玄・黄泉やロード・バロンみたいなものを「パワーアップ形態です!」と朗らかに分類する東映公式の感性にのけぞる。