double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号

つーことで、ミッチ―こと及川光博さん出演&スーツアクター押川善文さんの引退を見届けるべく映画館まで出向いてまいりました。
いやなんか、GACKTさんよりも松岡さんよりもほかの誰よりも、及川さんがコレ系に出るって「ヨカッタネ!」感が強いんですよね。*1

まああと、たっくんと侑斗とデネブと橘さんが出るって言うし。DVDもらえるっていうし(先着)。

いやまあ。
ほんっとーに正直なところ、内容にはなんらの期待もなく赴いたんですけどね。
だってヒーロー大戦ですぜ!!!
なんですけど。
「あれ、これ、悪くなくない?」
見ている最中、意外感でいっぱいでした。
3号、かっこいいしな。

いやまじで、良かったと思うよ!大オチ以外は。


思いっきりネタバレするんで畳みますー。

主役は仮面ライダー3号

この物語は、壊れかけたテレビに映し出されたとある番組の最終回から始まる…

1973年。仮面ライダー1号2号がショッカー大首領を倒し、世界は平和に包まれた。はずだった。
しかし、忽然と現れた仮面ライダー3号を名乗る謎の戦士により、1号と2号は倒されてしまう。その影響により、世界がショッカーに支配されてしまうという歴史改変が行われてしまった!
2015年、仮面ライダードライブに変身する泊 進之介は、果たしてこの事態の真相を解明し、世界を元に戻すことが出来るのか?
そして仮面ライダー3号の真の目的とは?

てな感じがあらすじ。
今回、お祭り感はわりと低めで、進之介がさまざまなライダーに出会うことで事態が進行していきます。


春映画は話がないのが話みたいなとこあるんですけど、今作はなんかちゃんと軸があった。
それは、この映画の目玉・仮面ライダー3号。

バッサリとネタバレすると、黒井はショッカーライダーなわけですが、その心には、1号と2号を倒した時からゆらぎが生じてしまっている。
脳改造を受けていないからなんですね。で、そのゆらぎを、黒井は、すべての仮面ライダーを倒し、最強の名を冠することで埋めようとしていたのですが、進之介との出会いにより、ショッカーを裏切りなおかつ1号2号を認めることで乗り越えることになる、と。

そう、今作は仮面ライダー3号のお話だったのです。まさしくタイトルの通り。

仮面ライダーの名を冠する者は、いずれ必ずヒーローとして目覚めるのかな、と今回見てて思った。
また、なるほど仮面ライダーは、正義という条目ではなく、自由に生きることを守護する存在なんだな、と。

なんかPとか脚本とかの制作側がそこまで踏み込んで考えたわけではないような気もするのですが、今作は歴代よりも粗雑ではなかった分、そういう大事な成分がにじみ出て、それを監督の柴崎さんがしっかりと捉えきったため、作品としてけっこうイイ出来に仕上がっておりました。
わたしは、これは見ていい部類の映画だと思うよ。
ただし、大オチ以外はな!

こいつぁヒドいぜ

わたしはちょっと春映画に関しては冷めている部分があるので、「まあ、どーせどーにかなって本編につながってるんだろうよ」くらいで流せるんですが、まあ、すいません、擁護する気はないっす。
あの大オチがある、その一点でこの映画はクソって言われても、まあそうだよな、と。
っつーか白倉さん、『DCD』のときBPOに怒られたじゃん!さすがに懲りようぜ!

とはいえ配られたDVDを見るに、『仮面ライダー4号』はちゃんとおもしろいよ。
そんなに煽らなくても、見て貰えると思うんだけどなー。

脚本と演出のマッチング

さて話は戻りまして、今作がいい仕上がりになっていたのは、監督が柴崎さんだったからだとわたしは感じている。

米村さんの脚本というのは、やいのやいのと言われますしわたしも言いますが、とはいえ軸があるとちゃんと機能するように出来ているのですよね。ただ、自分で軸を創出するタイプではない。
だから、軸がある今作の米村脚本は、いい米村脚本だったと思う。

とはいえ、春仕様の米村脚本は春仕様の米村脚本で、いかんせん脚本それ自体では埋めていない部分が多すぎるというのも事実。だから、これがいつもの金田監督だったら画づくりで押し切っちゃって、モヤっとする出来になっていたのではないかとも思います。
ともすると雲散霧消しそうな要素を、柴崎監督があの粘り腰で浮かび上がらせたからこそ、今作は黒井響一郎の物語としてしっかり成立したのではないでしょうか。

ってまあ、金田監督ディスってるみたいになってますが、ごちゃまぜの戦闘シーンになると、これはやっぱり今までは金田監督の手腕で成り立っていたんだなあとしみじみ思いました。
柴崎監督の画もかっこいいんだけど、一場面一場面にしっかり意味が込められている分、スピードが落ちるんですよね。
理屈のないことを成立させてしまう度量は、やっぱり金田監督すげえな、と。

ああでも、理屈のある部分はとてつもなくかっこよかったけどね!ファイズVSマッハとか。トリプルライダーキックはカット割りが見事すぎて痺れましたです。あれは反則のかっこよさだわー。


そういえば今回の戦隊ゲストはニンニンジャーだけだったんですけど、あれですね、戦隊って強いね。
まったく前後に脈絡がないのに、出てきたら画として成立しちゃうんだもん!
変身が始まっちゃったら、視聴者はポカンとして見ているしかない。そして見たならば、もう問答無用だ、かっこいい!
なんかこー、さすが35年以上途切れず続いているだけはあると思いました。なんかすげえ域に達しつつあるな。

細かいところの感想

不満があるとすれば、視点人物がどんどんスライドしていっちゃうから視聴者が置いてかれ気味なところと、現行放映中のドライブがそこまで機能してなかったところかなー。特に後者の問題点は、映画オリジナルシフトカーみたいなのがないとこだな!

んだけども、進之介の描き方自体はすごく良かった!っていうか、本編で見失いがちだった進之介らしさというものを、わたしはこの映画で再認識させてもらったよ。さすが公式二次創作作家の米村さん!褒めてんのか自分でも謎な言い回しでごめん!
課長や霧子ちゃんを失って慟哭し、そこで目が覚めるところとか、「つながらない部分」に気が付くことで真相を見抜いたりするところとか。あと地味なところでは、侑斗に推理を披露しているところで、見張りに気づかれそうになってサラッとごまかすところとか、「あ、そうだ、こんなだったこんなだった!」って膝をうちまくりでしたよ。
黒井の心の迷いを見抜くヒントが、進之介のあのブレーキ状態とかけられていたのは、さすが米村さんらしい掬い取り方だなあと思いました。

それにしても、進之介も、剛くんも、それから乾 巧も、おもしろいのはショッカーと対立したのは別に洗脳とかが解けたからとかではない、ってところですね。歴史改変されたため、ショッカー支配を当然のものとして受け入れていただけで、自分らしさを貫いたらショッカーから離反していた
仮面ライダーに変身するような人間は、なんか勝手にちゃんとヒーローとして目覚めるんだな、と思ってなんか嬉しかった。

進之介に道を示す役割として、ブラックこと南光太郎さんの使い方も良かったですねー。
しかしところで、仮面ライダーJさんはいつもでかい状態で登場しますが、あれって別に元からでかいんじゃないんですよね?変身の一形態なんですよね?確か。

まああと、グランプリレース、それほど意味なかったのはちょっと気になったかな。
仮面ライダーはマシンを使いこなせてこそ、ってだけの扱いでいいのかしらん。いや、大本はそうなんだろうけど、そこでなんでバイクじゃなくて車なのかってところを押さえてくれたら嬉しかったのになあ。
レースクイーン仮面ライダーガールズ持ってこなかったのには、ガッカリだよ!

大好き平成仮面ライダー

アッサリ見たつもりだったけど、書いてみると分量多いな…
あと平成ライダーゲストのみなさんは、もうとにかく良かった!
くそー、踊らされないぞと念じつつも、やっぱり出てきてくれると嬉しいよー。懐古商法め…ぬうう。

たっくん、前作よりもたっくん度があがってた!
っていうか、駄目だ…たっくんが出るだけで泣きそうになるもん…

橘さん、髪なが!
そして変身ポーズに心が沸き立った!そうよ、あのちょっと先端内また気味なのがポイント!
なにげにさりげにブレイド勢は声で全員出ていましたね。本職の声優さんと比べてちょっと物足りないのが逆にぐっとくるぜ!
しかし、あのセリフのねじ込み具合には笑った。いい意味で。

そして…侑斗ー!!!おおお、ちゃんなか、ていうか演技うまくなってるじゃねえか!
休養長かったのにねえ…
しかし、侑斗がオッサン呼ばわりされるようになっていておばちゃんは心中複雑よ?
久方ぶりのプロレス技がなんかもうすげえ嬉しかった。
最後にはデネブと掛け合い!押川さん、ありがとうございます!

わりと、平成ライダーゲストについては満足しかないです。
この路線のままでいってくれ!

そのほか

しかし、剛ちゃんすげえ扱いだったなー。
よくよく考えてみると本編でもそんなにお役に立ってないので、もしやかわいそうなのかもしれないと思った。

あと、今作、これは絶賛したいのは音楽かっこいい!!!ってこと。
まず主題歌「Who's that gay」もファンクでめちゃくちゃかっこいいんですけど(しかし思いっきりミッチーで笑っちゃうんだけど)、劇伴が!
映画館の音響が良かったのかな?意識半分くらい持って行かれる感じでかっこよかったです。あの劇伴聞きながらバトルシーン見てたら恍惚としてきたよ。

にしても、やっぱり及川さんは何をやってもどこかに及川さんが残るので、なんかついつい笑いそうになってしまった。
もういっそのこと、映画版ライダーマンとかエターナルとか呼んで対バン…じゃないや、対決させればよかったのにね。世代がバレるぜ!

チーターカタツムリさんを見て、「あっ、なめくじねこだ!」と思った人は挙手。

ところで

一番最初に、ゲストがミッチーと聞いた瞬間から、なんかしらんがとてつもない既視感に襲われていたんですが…わかりました。
ゲストが及川光博…キャラクターコンテンツ…そしてキーアイテムが車…
なるほど!これはアドゥレセンス黙示録!(テーマが違います)

*1:河村隆一さんが主題歌歌ったときも、GACKTさんがライダーマンに変身したときも、松岡充さんが単独主演を勝ち取ったときも、草が生えただけで終わったというのに、なぜわたしはこんなにミッチーに反応しているのか。