double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

小説 仮面ライダーW〜Zを継ぐ者〜


著者:三条陸
出版社: 講談社 (2012/11/30)
ISBN-10: 4063148610
ISBN-13: 978-4063148619

もうそろそろネタバレでもないとは思うのですが、長いのでとりあえず畳もうと思います。
なんか今回は正統派っぽい感想だ。
ここにきての新フォーム!

同時発売の二冊(『オーズ』と『カブト』)が後日談だったのに対し、こちらは完全に番外編。
Vシネマではアクセル、エターナルがタイトルを奪っていましたが、ここでやっと本命というべきフィリップが主人公です。

構成はいたってシンプル。事件の依頼を受け、それを探偵として解決する、という本編のフォーマットを踏襲しています。時系列は照井と亜樹子がくっつく前あたり。つまり、後日談ではなく、こぼれ話といった位置づけですね。また事件そのものにも大きな意味はないので(まあこれも本編と一緒だ)、副読本的な要素はいっさいなく明るく楽しく本編の雰囲気に浸れます

ただしもちろん仕掛けはあって、それは本編では実働部隊:翔太郎・安楽椅子:フィリップという役割が逆転しているというもの。ただその分翔太郎の出番が少ないぜ…!本編でも少なかったというのに!
フィリップのちょいと淡いロマンスがありフィリップファンはにやりとするかムッとするか(笑)。

状況に合わせたフォームチェンジ、新フォーム(フィリップ単独変身!)、主要人物総登場、と、ファンには嬉しいサービスが全部出し!
ただ、照井と亜樹子について、匂わせるような描写は一切ないのがもったいないと思いました。わたし別にカップル大好きな人間ではないですけども。
そういう意味では完全に「男の子ヒーロー物!」って感じがします。この作品。

さきにも述べましたが副読本的な要素はないし、事件そのもののシンプルなので感想は特にないのですが、それがゆえ、たぶん一番読者サービスに徹しているのがこれなんじゃないかな、と思ったりします。本放送が終わった寂しさに応えてくれています。いや、これ重要ですよ?よく考えて見れば後日談が必要となる話でもないですしね。

あ、でもフィリップによる翔太郎評というか、魅力・必要性が再確認されていて、そこんところにこの小説の意味があるような気がします。
(…本編だとあんまし伝わらなかったのでわたしも整理になってよかった。でも、翔太郎本人に動いてしゃべって伝えて欲しかったぞ。その辺ちょっと寂しいぜ)

小説としては文章が一本調子なのがなあ…途中ちょっと疲れてしまいました。
まあアニメで言うところの「動かない」みたいなもんなんで気にならない人は気にならないと思います。