double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダー鎧武 第30話「赤と青のキカイダー」

エエ話やないかい!
意外とこれからの展開の前哨戦として良かったかもしんない。

このタイミングでかよっ!…と、テレビの前で盛大にヘッドバンキングした人も多いのではないでしょうか。まさかまさかのコラボ回です。
いや、コラボはいいんだけど、なんか前回の引きが「沢芽市が危ない!」だったので、いきなり話は二週間にさかのぼられても…
などと戸惑っておりましたが、始まってみれば自然に引き込まれていきました。さすが毛利さん手堅いぜー。

今回の脚本は毛利さん。毛利さんのホンは、登場人物がついつい頭良くなっちゃって、それは長所ではあるんですけど、『鎧武』…というか紘汰とはたまにズレを感じるところがあってわたしとしては気になるところ。
なんですが、今回はセーフ!良かった!


ジローという名前だけしか覚えていない、一見人間にしか見えないロボットを拾った紘汰。拾った子犬にジローと名付けた過去と重ね合わせ、記憶がよみがえるまで面倒を見ることに。
しかし、そのジローは実はキカイダーという戦闘用ロボットだったのだ…

というシンプルなお話。ライバルのハカイダーはプロフェッサー凌馬が脳をカジュアルに移植してやってくるよ!ザ・マッド!
ちなみに、昭和特撮はまったく知らない、と言い続けているわたしですが、キカイダーの大体のアウトラインは知ってますよ。平成に入ってケーブルテレビでやってた新作アニメをちょろっとだけ見ていたのです。あれですよね、ピノキオ(この話でも姉弟とジローが見に行こうとしていた映画がそれっぽかったですね)。

さて、映画公開が近づいているがためのねじこみコラボ回なわけですが。しかし、なんと良い出来!
ただお話として良い出来なだけでなく、ちゃんと意味が感じられた。

記憶をなくしているジローは、敵があらわれても戦うことをためらう。「守るためには戦わなくちゃいけないじゃないか…」
ここ、良かったですねえ。守るためには力をふるわなくてはならない。この矛盾、辛さ、そういうところにグッと踏み込むのが毛利脚本の良いところ。
このテーマを出せたから、このタイミングでのコラボ回でも許せるし、むしろ意味が生じて、かえって良かった。
そしてそれを受けて、我らが紘汰はさらっと答える。「守れる力があるなら、戦った方がいいじゃないか」(すみませんセリフはうろ覚え)
ナイーブな問いに対し、シンプルに向き合えるのが紘汰の良いところ!
この回が終わり、来週の予告に入って、どうやら戦う意志を再確認するようで。そのとき、この回は生きるんじゃないかなーと思った。嬉しいね。

ジローと葛葉姉弟の同居生活にほのぼの。姉ちゃんの買いだめっぷりが、リアルで笑った。広くないマンションの部屋を整理して使ってるよねー、そういう生活感の普通さが、紘汰が逆にヒーロー物においては珍しい存在だと感じさせる。
あと、ダイニングのシンプルさがこの家の主導権はお姉ちゃんにあるって感じで良し。
紘汰の部屋での会話のとき、ジローが醤油をたくさん並べていたのが好きです。味付け、勉強しようとしてたんだね。
よく考えてみると、紘汰のお姉ちゃんとの生活を見せる、日常回としても機能していた気もする。

ジローを拾ってくるくだりもかわいくてよかったなあ。舞はなんか人型ロボに興味津々!って感じで、やっぱりあの子、おもしろい趣味してるなあ。

ジロー役の入江甚義さんは、相当作ってきたな、という感じ。メカさを出すために、パンチやキックの反動が体にでないように筋肉ガチガチ!殴られてもアクションしても息を乱さないしねえ。あの膝蹴り、ワイヤー使ってないように見えましたが…?
動きのひとつひとつも直線だし、最後のシーンのギターも、ストラップなしで抱えてネックもちかえるなんて芸当もしてましたし、こいつぁマジだぜ。
映画『キカイダー』、そもそも元ネタもよく知らないし、なにかいえる立場にはまったくありませんが、キャラがあってるかどうかはともかく入江さんに関しては大丈夫だと思います。

VSハカイダーは、シュチュエーションの作りこみといい、迫力あってよかった。田崎監督、本気出してましたなあ。
あと、プロフェッサー凌馬こと青木玄徳さんのアフレコがすごく不気味で素晴らしかった。「破壊、破壊、破壊だー!」のとことか特に。声優で活躍してもいいなあ、と思ったけど、せっかくのイケメンがもったいないですな、そうなると。
デザインもかっこよかったぜー。

アクションといえば、佐野さん動きすぎ!ついつい、ひーひー言いながら見てしまいます。軽やかというか、快活というか。
むろんプロの方に比べればなわけですが、しかし、佐野さんの個性と言うか、あの溢れんばかりのエネルギー、見ていて爽快です。
東映はがんばって佐野さんがひたすらアクションする映画をつくればいいと思うよ!見に行くよ!


さて、ジローは記憶を取り戻し、そのために紘汰たちのことは忘れて旅に出、別れが訪れてしまったわけですが。
来年春の、どうせやるんだろ・ヒーロー大戦において再会したらいいんじゃないかな!

おもしろかったので良かったです!

それにしてもサブタイトルがどストレート過ぎ、っていうか、なんの番組だかわからんな!