double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダー鎧武 第47話「変身!そして未来へ」(最終話)

ずいぶん遠くまで来たように思うけど、きっとここからが始まりなんだろうな。


うーん、あらすじに沿って感想を…と思ったけどだらだら長くなる。
というわけで、見終わって、の感想をまとめます。

※投稿の日付を変えました

『鎧武』とは過程の話

最終話は、まさかのまるまる一話後日談でした。でも、「後日談」といっても、これは、付け足しではない。というよりも、ここに視聴者を連れてくるために、46話があったのでしょう。
ミッチの後悔、城之内の悔恨。そういうものが、「変身」の言葉で解放されていく。
ヒーローが救ってくれた世界で。ヒーローを彼岸へと旅立たせてしまった世界で。残された一般人たちもまた、その恩恵を享受するだけではなく、我がことと引き受けて前進していく。
断絶はあるけれど、これもまたひとつ、ヒーローと人間との良いバランスのとり方ではないでしょうか。
ありがとう、と言うだけではなく、自分たちもまた強くなれたら。
「誰かを励まし、勇気を与える。それが本当の強さだ!」そういえば、紘汰のこの決意は、ミッチによってもたらされたんだったな。
誰か一人だけが最初からすべて何かを持っているんじゃなくて。互いに影響しあって、よりよいものになっていく。
わたしは、『鎧武』は「過程」の話だったのだと思うよ。

ミッチの「変身」

すみません紘汰さん…
やっぱり僕は何も成し遂げることができませんでした

そんなことねえよ!
ミッチ、すげえがんばったじゃねえか!

ここがね、わたしはここが好きでね。

確かにミッチは結局、一人で結果を出すことができなかった。でも。
女の子を人質に取られ、そのとき、銃口を下ろした。そしてなにより、人を守ろうとして力を行使した。その行為が正しいと呼べるものだったからこそ、紘汰というミッチにとっての奇跡が降臨したんだと思う。
正しい行いに結果がついてくることは、現実、確かに必ずというわけではない。
だけど、正しくない行いで出した結果には、たいていロクでもない落とし穴がくっついてくるもんだ。
今回ミッチは正しい過程を踏んだ。だから、報われたんだよ。

紘汰とミッチがともに戦うシーンはもうね、泣けてきたね。まさかあそこで主題歌が流れるとも思わなんだ。
やっとまた二人、一緒にいるのが見られたっていう視聴者目線の気持ちもあるけど、なんかもうそれ以上にミッチが良かったな!と思って。
大好きな先輩ともう一度一緒に戦えて良かったね、って。あのころと同じことがもう一度できて良かったね、って。
しかしここにきて、まさか龍玄に見せ場が来るとは思わなんだ。わたしはフィギュア野郎だったら、極と買って家に飾るね。それくらいのシーンだったね。
紘汰が大橙丸をミッチに渡したところも良い。信頼関係がはっきり見えて。

しかし本当にミッチは紘汰が大好きだったんだなあ…見なよ、あの顔を。

ほとんど会話することは出来なかったけど。でも、もう大丈夫。
だって、今回のミッチは、紘汰の目を真っすぐ見れるから。見れないような行いはしなかったから。
だから、仲間たちにも笑顔が向けられる。
ああ、良かったね、ミッチ!人が救われるのを見るのは嬉しいよ!

確かにあの人はヒーローだった…
でももう紘汰さんはいない!
だから、今度は僕がヒーローにならなくちゃいけないんだ!

冒頭で、回想ばかりして溜息をついていたミッチ。それがやっとここで、未来を向いた。それが「変身」。
ここからが本当の意味で、仮面ライダー龍玄のステージになるんだろう。

まさかの城之内

いやあ、まさか城之内の悔恨も拾うとは思わなかった。
これは、初瀬人気も後押ししたんだろうな。みんな、やっぱり好きなキャラは大きく応援すると吉だよ!

初瀬の変身ポーズで黒影になるとは、思い込め過ぎだ、素晴らしい。
結局勝つことは出来なかったけど、でもその行動こそに意味があるんだよな。

ザックはやっぱりイイヤツ

変身こそできなかったけど、でももうザックはいいんだ。クルミアームズになったとき、もう「変身」できたんだから。
足治って良かった…!しかし松田岳さんは足が長いので、アクションが映えますね。

あと雑感

ペコがわだかまりあるのはしょうがないよなー。暴言吐かれた上に半殺しにされたんだもんな…
でもこれで、たぶんペコも前を向けるでしょう。

貴虎兄さんはもう、晶お姉ちゃんといい雰囲気じゃないか!マジでか!アリだな!
だいたい貴虎は紘汰に惚れこんでたようなもんだし(語弊のある言い方)、その紘汰を現実的にもっとちゃんとさせたような晶さんなら癒しになるよ。
しかし晶さんはあんまり落ち込んでないようで、たぶんこの話で唯一完璧な人間として設定されているのはこの人なんだろうな…
呉島兄弟の最大の問題点って、相手にファンタジーを見過ぎるところだと思う。だからすぐ足場が崩れるんだよ!
でもまあ、晶さんなら大丈夫だろ。わたしはキカイダー回により彼女には全幅の信頼をおいているんだ。

あと坂東さんに台詞があると思わなんだ…嬉しいけど、でももう少し使って欲しかったぜ。

最後にして最大の敵はコウガネでした。まさかの映画ライダー!すごいワクワクした!
声が愛之助さんじゃなかったのは、まあ、復活途中だったからということで。
全然知らないやつがくるより断然燃えました。強かったしなー、コウガネ。
またそのコウガネを、フェムシンムとは違う道を選んだ紘汰と新たに変身したミッチが倒したってことは、きっとラピスも喜んでくれると思う。良かったなあ…

街の守り神

最後に戒斗の笑顔が見れて良かった…
戒斗はご神木に宿った神として沢芽市を見守っていけばいいよ。成仏したっぽい描写だったけど。
んで、間違いが起こったら神威を示すのだ。日本的な意味での神様である。

舞に対して、「やはりお前は強い…」と言った表情が本当に軽いものになっていて、ああ良かったなあ、と。
あとこの人、本当に舞が好きなんだな、と。

ご神木の前で踊る、舞と紘汰と戒斗に似た子どもたち。それは希望の象徴。
間違えても、またがんばってなんとかしていけばいい。そうやって人は生きていく。
紘汰と舞は現世離脱しちゃったけど、次に続く人がいればそれでいいんだね、きっと。サイクルは回っていく。ヒーローは唯一の存在であり、一方でサイクルの過程のひとつでしかないんだ。
二人の星は成功したのかな?少なくとも青くはなった。もしかしたら遠い未来、地球の人間と接触するかもね。


というわけで…とりとめのない感想になりましたが。最終回を見終わっての感想です。
まるまる一話後日談、というのは、少々悩まないでもありませんでしたが。完結しすぎるというのは、物語にとって良いことなのかどうなのか。
しかし、最後のミッチの笑顔を見たら、ね。人が救われるのを見るのはやっぱり喜ばしいことだ。

なので、こういって締めることにします。
ありがとう、仮面ライダー鎧武!さようなら、仮面ライダー鎧武!
そして――これからを頼んだよ、仮面ライダー龍玄!


ところで今回、なんか石田監督にしてはあっさりしていたような気がしません?わたしだけ?
(DVDプレーヤーが故障したので確認できていない)