double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

なぜわたしは『ドライブ』の視聴に身が入らないのか(19話終了時点)

すげえタイトルですが、別にdis記事じゃないですよ!本当だよ!

いや、楽しんでるんですよ『ドライブ』。霧子ちゃんかわいいし。チェイス気になるし。ベルトさんイイ声だし。
というか、だから不思議なんですよ。なんで流し見になっちゃうのかなーって。
で、いろいろコメ欄とかでお話をしていて、なんとなく気づいたことがあるので書いてみます。
みなさまが何かしら考える際のとっかかりにしていただければ、と思います。

なにかが一味足りない

『ドライブ』、おもしろいですよねえ。なんか、前向きで。一所懸命な感じが好きです。
んで、別にそれだけでもいいんですが。そういう、楽しいだけでも全然いいんですが。
ただ、それで済ませるには、『ドライブ』には情報量が多いんですよ。

すごく設定周りがしっかりしているんですよね、『ドライブ』。特状課の成り立ちとか、ベルトさん誕生秘話とか、プロトドライブとか、どんよりとか。霧子ちゃんの仮面ライダーにかける思いとか、過去から立ち直った進ノ介とか。
だから、さわりだけだと物足りない。物足らない。

とはいえ、設定をチラ見せしつつ引っ張っていく、というのは、普通のことでもあります。
歴代でもやってましたし。
だから、「深い話こないなー」というのが、なんとなく集中しなくてもいいや的な雰囲気をかもしているかというと、そうではないのだ、と思います。

つまり、情報量の多さから目をそらして「とりあえず」を楽しむことが出来ていない、という状況が今なのだと思います。

じゃあ、なにか?
と、考えた時に、ふと、欠けているものがあることに気が付きました。
メイン脚本担当の、三条さんの持ち味です。

期待するべき持ち味とは

個人的に見るに、三条さんの持ち味は、「熱さ」です。
そりゃ知ってるよ!ってみんな言うでしょうが、まあお待ちを。
ではその「熱さ」ってのはどこに由来しているのか?どこが見せ場なのか?
というところで、わたしは、「熱い台詞」だと思っています。

三条さんの書く台詞は熱い。その熱さは、ある意味で、ただ熱くあるためだけにすら存在します。
なんというか、こう、積み重ねがあってそれが爆発する熱さ、ではなく。来るぞ来るぞ…キター!的な熱さ。
かっこいい場面を演出し、そこにかっこいい台詞をキめてくれる。その心地よさが三条脚本の魅力の大きなひとつだとわたしはとらえています。
漫画的とでもいいましょうか。深読みをするよりも、この文字の連なりに燃えろ!開放感のある台詞。

のですが。
なんか『ドライブ』でそれ、あんまなくない?今んとこ。

味にパンチがないのよね

キまる場面や台詞が今一つ、ということは、つまり、各回およびそもそもの『ドライブ』というものに核たるものがない・あるいは小さい、のだと思います。
ボケてるわけではない。それなら違和感があるはずだから。
核がないというのは、つまり、テーマが大きく打ち出されていない、ということです。
まとまる焦点がないから、キまらないのだと。

つまり、やってることはわかるけど、なにがやりたいかはわからない。というのがいまの『ドライブ』の印象なんですね。

だいたいそもそも、進ノ介はなにを背負って戦っているの?正義というお題目ではない、市民を守るんだって明言してくれたけど、あの強盗の回以来そういうテーマで進ノ介が行動したことはない。刑事として戦っているの?それとも仮面ライダーとして戦っているの?両方なら両方で、それを見せてくれ!

また、刑事物の見せ場というのは、主人公がどこに憤り、どのように憤るのかなのですが、この辺は三条さんの悪いところが出てて、悪役がわかりやすいから「そりゃ誰でも怒るよね」って片付けになっちゃってるんだよね。進ノ介がなにが一番許せないと思うキャラなのか、が先にあればよいのですが…むしろ霧子ちゃんの方が描かれてるよ!
りんなさんメイン回も、結局りんなさんの芯みたいなものは描かれなかったし。

「脳細胞がトップギアだぜ!」というキメ台詞にしたって、そこが話の頂点になってないから、キメ切れてない。
謎解きのひらめきが頂点ではないということは、刑事物のドラマとしても、決まっていないということでもあります。

なんかこう、もったいないなあ、と。
トライドロンは大きな売りだけど、じゃあ車が出てくるシーンがキメのシーンかというと、そうでもない。キター!感が、ない

なにを、どこをワクワクして待てばいいのかいまいちわからない。

さてそうなると、じゃあ脚本が悪いのか、って話になるんですが、それは違うかなあ。
なぜなら、サブの長谷川さんも同じ感じになっちゃってるから。二人してってことは、つうことは土台からそうなんだってことで、つうことはとりまとめるPの方針かなあ。
一番最初で書いた「情報量が多い」っていうのがポイントかな、と思います。情報量が少なかったら、楽しいだけでお話をまとめることはできたと思うんだけど、やらなくちゃいけないことが増えたら核の存在が大きくなってくるから。後半で加速するにしても、それなら情報も後に回しておいて、前半は身軽にしておかないと。

特にマッハが出てきて混戦しはじめてから、わたしは身が入らなくなったんだよなー。印象がとっちらかっちゃって。それまでは、とりあえずロイミュード犯罪を追いつめれば良かったから筋がスッキリしてなんとかまとまっていたのだけれど。
18・19話(ゲンさんメイン回)ももったいなかった…

でも味自体は好きなんだよね

という感じで、いまのところ分析してみたのですが。
でも、細かくつついてるけど、『ドライブ』楽しく見てるんですよ!本当に第一話にはワクワクしたし。冬映画もとってもおもしろかったし。
設定もしっかりしてるから、きっと後半でギアが上がるんだろうとは思っています。…まあそうでなくてもいいですし。

別に、見たいものが見れないからと言って、文句をつけたくはないし、つけないようにしたい、と思っているんです。だっていろんな作品がある方が世の中おもしろいじゃないですか。たとえそれを自分が楽しめないのだとしても。
だから、当初は考えていることはあっても記事にまでするつもりはありませんでした。
ただ、ふと、三条さんの「熱さ」が足りてないな、と気づいて、それは『ドライブ』に期待するべきものだと思ったのでまとめてみました。
主演の竹内さんは体当たりで演じていてGOODですが、まだ新人さんで自分で上乗せするまではいたっておられないので、そこも脚本と演出でブーストさせてあげてほしいっす。

今はこんな感じです!


追記

あと、これはちょっと本題からずれるんですけど。
わたしが当初もうれつに期待したのは、刑事物のフォーマットを用いてヒーロー番組をやる、ということでした。普通のゴールデンのドラマをやりながら変身ヒーロー物を成立させてくれるのではないか、という。
なんですけど、刑事物としてなんかちょっと中途半端だなあ、と。
刑事物は個性的な刑事だしとけばいいと思われるかもしれませんが、そうだったら世に出た刑事物ぜんぶヒットしてますからね!そのはずだよ!(落ち着け)
『ドライブ』には刑事物フォーマットを大事にしていくなら、刑事物というジャンルを突き詰めて考えて欲しいなあ、と思いますです。
主人公がなにに憤りなにを大切に思っているのか。職業として法を守る一方、個人として正義とどう向き合うのか。そうしたことを意識した場合、組織の中でどう動くのか。
もしくは謎解きをすごくがんばるか。捜査方法について独特のスタイルを発揮するか。
刑事物のどの部分を推していきたいのかよくわかんないんだ!たのむぜ!