double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダードライブ 第48話「ゴーストの事件」 またの名を真・最終回

いつからなのかは存じませぬが、最近の平成ライダーは最終回を予備回にあてているもよう。とはいえ毎回趣向は変えてきており、今回は次作とのバトンタッチというなかなかにワクワクさせてくれるチョイスになりました。
しかし…それだけでは終わらないのがさすがの平成ライダー。先行作と同じく、真っ向から最終回のその後・真の終わりを描いてくれてました!

回復の物語

最後の事件は秘密組織ネオシェードの壊滅。なんとこれは、進ノ介が立ち止まるきっかけとなってしまったあの事件の犯人でもある。そこ絡めてくるのか!
でも、なるほどこれで進ノ介の物語はついに終わるのだな、と納得。単純に、あの時の後悔と同じ構図を作り出し乗り越えさせるだけでなく、刑事らしく一度関わった事件を解決する。『ドライブ』はどこまでも刑事ドラマですね。

ゲンさんのベルトさんを失って漂いかけている進ノ介の胸中を慮る言葉がじんわりと胸にきました。いいなあゲンさん。最後に一緒にゲンさんが行動してくれて、よりしっかり刑事ドラマになっていましたな。ゲンさんの存在が『ドライブ』の刑事ドラマ度をかなり上げていたと思う。

そうなんだよなあ。早瀬さんを怪我させてしまったとき、きっと進ノ介は焦っていたんだと思う。なんとかしなきゃ、俺が早くなんとかしなきゃって。
でも、一年経った今。進ノ介は頭に血が上りそうになってもクールになることを覚えた。そして、視野を広く持てるようになった。
それは、仲間がいることをしっかりと受け止めたから。自分を自分で信じきることは難しい。でも、自分を信じてくれる人が、頼もしい人たちならば。それは大きな支えになるよね。

すわベルトさん復活か!ってなったとき、進ノ介が変身しなかったことにとても感動しました。
そうだ、変身できるかどうかが大事なんじゃない。
なぜなら進ノ介は仮面ライダーであり、刑事だから。仮面ライダーの心を忘れずに行動するなら、進ノ介は変身しなくても仮面ライダードライブなんだ。

よくよく考えるとこの話は、ベルトさんとの本当の別れ、だけでなく、ロイミュード事件でさまざまに心に痣を負ったことの回復の物語だったのかもしれない。
人間には悪があること。その悪がどれほど酷いものであるかということ。警察という力では守り切れないものがあること。
けれど学んだこともある。それは、人間には善もあること。その悪から善を守ることができるということ。警察だからこそできることがあるということ。
そのことを呑み込み、実行することで、真に進ノ介は前に進むことが出来る。今日よりはもしかしたらもう少しマシになっているかもしれない明日へと。

進ノ介の銃弾はもう逸れることはない。なにがいま必要なのかを、見抜くことができるから。

職業・刑事ということ

そういえば平成ライダー主人公軒並み無職問題に鑑み、思いっきり職業が社会的な仮面ライダードライブは、そのへんも最初注目されていたのでした。
彼岸と此岸のはざまに立つのが仮面ライダー。なので、職業が不安定という社会のグレーゾーン的立場はとても正しかったわけですが。
では、職業が社会に根を持っている仮面ライダーとは、どういう存在になるのか?
ってとこで、『ドライブ』が見せてくれたのは、歯をくいしばって社会から逸脱することなく、しかしその立場に甘んじないでい続ける…という、ひじょうに現実的で、それゆえに最も困難な姿でした。

この、歯を食いしばって、がミソ。達観しているわけではない。諦めているわけでもない。
思えば同じような立場の『鎧武』の貴虎兄さんは諦めてしまっていたのでしたっけ…まああの人の場合は本人が理想家であることに加えて周囲の人材の最悪さがありましたが…やっぱりかわいそうな人だな兄さん…
しかし進ノ介は青臭い若造で、でも周囲の支えもあって、それを逸脱せずにどう全うするかを体得することができた。マジで友だちは大切ですな。

見ていてずっとわたしは進ノ介が枠をぶちやぶってくれるのを期待していたのですが。全話を通して、境界線上の存在ってのは、そういうことだけではないよ、と言われたのかもしれません。

仮面ライダーそろいぶみ

チェイスはああなっちゃったし、どうするのかな?と気を揉んでいましたが。やはりそうか――奥の手・回想!
もうここでまとめちゃいますが、次のVシネはチェイス主役だそうで(やった!)。でもってそれも、本編のロストナンバーという立ち位置だそうで。
安易に復活させない判断は素晴らしいですが、でもそうなると、チェイスが出てくる場面はみんな過去の設定になっちゃうんですよねえ。
とまれ、哀しい終わり方だったので、また三人の共闘が見られて嬉しかったです。


さて、実は今回出てきたライダーは三人だけではなく。
ってことで次作の主人公ゴーストくんだ!
…ゴツい見た目とすさまじい力に反して、中身はノホホンとした青年のよう。ギャップがすごいな…
自身にとって重要なアイテムである眼魂(アイコン)を事件解決に必要だから、と貸してくれるのは、お人よし…と思いきや、なにげに人を見て判断しているようで。ただユルいヤツではなさそうです。*1
ボンボカ身体を飛ばすアクションでテンションあがりました。そういえば今回の監督は金田さん!これは本編の登板も期待!

明日へ向かって

さて47話であった登場人物その後紹介。でも、進ノ介と霧子のがなかったんですよね。
敢えて想像の余地を残しておくけど、わかってるよね、みんな?という製作者側の目くばせかと思っていたのですが…
ここに残していたのかー!!!ニクい演出ゥ!

辞令ももらって、これにて本当に進ノ介の特状課でのお話は終わり。
いつかベルトさんと再会できたらいいね。

*1:『ゴースト』見る前の感想です、ちゃんと。