double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダーゴースト 5話までざっくり感想

新たな仮面ライダースペクター見参!…って、アランが変身するんじゃないのか!

…情報を薄めに摂取していると新鮮に驚けていいですよ。(言い訳)

というわけでお久しぶりです。一段落というところで出てきました。
いやー、ポンポン出してきますな『ゴースト』。タケルがこの世に留まっていられる日数も着実に減ってきており、どうやらやはり99日目が訪れたところが最初の山場となりそうですね。
ざっくりと現状についてをば感想。

混戦の模様

眼魂の取り合い合戦。最初は、タケル&仙人VSアラン&謎の男って感じでしたが。どうやらそう簡単な話ではないようで。
新たに出てきたスペクターはどうやら一匹狼らしく。ってことは三つ巴?
いやいや、しかし。アランと謎の乱杭歯の男は協力関係にあるものの、水面下では出し抜こうとしている気配もあり…ってことは四つ巴?
けれど仙人もどうやら何か秘密を隠しているらしく、もしかしたらタケルを裏切るってことも…ってことは五つ巴?ナニソレ!

やむにやまれぬ事情で始まった眼魂さがし。予想していた以上にキナ臭いようですな…

っていうかわたし、最初、「仙人は某サガラみたいに利用してこなそうだな〜よかった〜」とか能天気なこと言ってたんですけど!
同じようなもんっぽいじゃないですか!なんてこったい!

しかも、アランは謎の男ともスペクターともつながりがあるようだし、仙人もなんらか知っている様子。
ってことは…タケル以外みんなより深い情報持ってるってことじゃん!
タケル殿ー!ハブられておりますぞタケル殿ー!!!
なんにも知らないからこそ、新奇の手を打てるという立場になって欲しいですね。

サクサク進むよ

しかし、5話まで来まして、すでに情報が山ですが。不思議と、お腹いっぱい!とはなっていないところが、脚本の福田さんさすがと言えましょう。
一話一話の整理がひじょうにしっかりしている。ここは、さすが中堅と言えるお仕事っぷりです。仮面ライダー初参戦なのに、すごいなあ。

ただ、個人的には、3話以降が要素の消化エピソードになっちゃっているのがもったいないと思うなあ。
タケルの正義感、命への想い、そして戦うことへの葛藤。そういったものが、イベントとして片付けられているように感じる。
5話なんてゲストいたのかいなかったのかって状態だったし。

まあ…やること多すぎるっちゅーねんという話のような気もしますが…(イグアナの登場回数、片手で数えるくらいで終るとわたしは思うよ!)

とはいえ、一話完結で眼魔が悪さする→やっつける、という進行は、はっきりいって見やすい。視聴率はけっこういい線いっているのではと睨んでおります。
しかしこの見やすさには危険性も潜んでいる感じも受けております。
で、↓その話。

『ゴースト』におけるライダーバトル

というわけで引っかかったのは5話でした。スペクターとのライダーバトルです。
あれ、ライダーバトルいつもやってることじゃん。と思われたそこのあなた。だからこそなのです。

平成ライダーの代名詞ともされたライダーバトル。かつては(今も?)物議をかもしました。
しかし、多くの人が支持したように、注意深く見れば、そこにはある共通点がありました。
主人公からは攻めない。また、防衛手段としても、最初の数撃は説得をする隙を作るための牽制。
ボコスカやっていた『鎧武』でもこの動きでした。んでもって、それがゆえに、痛快なヒーロー物を見たい向きからは「いじいじする」として不評だったわけですが…

5話のタケルの動きには、これがない。スペクターに攻め込まれたからとはいえ、すぐに自分もでっかい剣を取り出し殴りかかっていく。
これだけは、タケルの優しさにふさわしいとは思えなかったし、ライダーバトルが本当にただのバトルに堕すようで、引っかかってしまいました。

この衒いのなさ迷いのなさも、おそらく見やすさの一因と思います。だからこそ、わたしは気になる。
しかし、これは別の見方をすれば、ライダーバトルというものに対する意識が変わってしまっているということを示唆しているのかもしれません。
執拗にライダーバトルに痛みを入れようとしたのは、白倉Pや武部P。塚田Pは、状況をすり替えることでライダーバトルをエンターテイメントとして処理しようとしました。そこにあったのは、「ライダーバトルとは本来なら許されざるものだ」という認識でした。みな、平成ライダー黎明期の苦闘の時期を肌で知っている方々です。

『ゴースト』にはそれが欠けているような気がしています。いや、そもそもそんなことに拘っているのが時代遅れなのか?

果たしてこれは、平成ライダーの前進なのか後退なのか。ちょっと気にしてみていきたいと思います。

タケルの見方の一提案

平成ライダーが出来上がってきてるなあ、というのは、ほかのところでも感じています。
もうひとつは、主人公であるタケルの造形です。

タケルのキャラが見えないとかそーいうことはわたしはあまり考えていません。っていうかこれ、もともと、「正義感のある優しい青年」だけで脚本を進めているとわたしは見ています。歴代のようなしっかりしたキャラ付けは考えられていないのでは?

いうなれば二昔前のヒーロー物と同じ作りでは。だから、世間知らずっぽいのに研究所の代表者として堂々と振舞えたり、フワフワしているわりにキビキビ動いたりできるのでしょう。話に合わせて動くことができる。
とはいえ、それだけなら性格破綻者っぽくなっちゃいますが、そこは15年以上やってきた平成ライダー。現場で役を膨らませるということがしょっぱなからできています。

4話は、見ていて楽しかったですね。高岩さんのアドリブに、西銘さんも活き活きとよく合わせている。
たぶん、タケルというキャラは脚本の流れで見るより、画面の中でどういう表情をしているかを見ていくのが良いのだと思っています。いまのとこ。
っていうか、本当にこれは平成ライダーの積み重ねによる技ですね…ここまで来たのか…

御成くんとアカリちゃんも5話にしてこの安定感。若い俳優さんの底上げもあるかと思います。
若手の俳優がとにかくいなかった時代が懐かしいくらいですな…

今後の楽しみ

まあ、てなこと言ってたら次回の6話には脚本に毛利さんが参戦との報が。確か『ニンニンジャー』でも書いているはず…というか『鎧武外伝』も書いてるし、働いてますな!
毛利さんと言えば、メイン脚本をていねいに読み込み、見落としがちな心情を見事に拾い上げる手腕でわたしたちにはおなじみですな。
タケルやスペクター(本名をまだ調べてないっす)をどう描くのか楽しみです。