double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング

おもしろいじゃないか!!!

つうわけで、いまさらいまさらですが『エグゼイド』夏映画のざっくり感想です。
いやー…開始数分で胸の中で叫びましたね。おもしろいじゃないのさと。

見てから時間が経っちゃってるのもあり、つらつらと書き連ねたいと思います。

ゲーム的な画面

最初におおっと目を奪われたのは、まさしくカメラワーク、そしてアクションでした。
いろんな角度から撮ったり、ぱっと切り替えたり。『エグゼイド』の仮面ライダーってゲームキャラでもあるから、ちょっと極端なくらいがふさわしいのでしょうな。
あとザコ敵が忍者ってのも、動きに無駄がないのがゲーム的で相性が良かった気がします。

これはそのまま、ラストバトルが永夢=プレイヤーキャラ目線でのカメラワークにつながりますが、特にあそこはよかった!敵の触手(?)をさかのぼるところなんか臨場感たっぷりで。テーマもVRでしたしね。
この映画が『エグゼイド』のテレビシリーズの結実、集大成というのが伝わりました。

ていうか、映像、映画なので、やっぱりカメラワークでの表現って大事だよなって再確認しました。
冬映画やテレビシリーズ序盤で感じてた不満ってこのあたりにもあるのかもなって思いました。

キャラ描写の広がり

今作のキーキャラクター、まどかちゃんの願いによる仮想現実により、飛彩先生とか無免許(by飛彩)が子どもの運動会に放り込まれる!ってシュチュエーションはとても楽しくて良かった。そうだよ、こういうギャグが見たかったんだよ!

大我はニコがいるからテレビシリーズでも笑いが合って幅が広がってたけど、飛彩はなあ…決め台詞が多い分、いじりが見たかったんだよね。

この映画はたぶん、尺がキツかったテレビシリーズでは出来なかったことを入れたいって意図もあったのではないでしょうかね。

でもニコの小学生コスはちょっとなあ…(でも、徒競走した仲だろ?というセリフは良かった)
あと、まどかちゃんがキーキャラと言うことで仕方ない気もするけど、せっかくの映画、せっかくの仮想現実が運動会って、スケールしょぼくない?

『エグゼイド』ひいては永夢ならではのメッセージ

この映画の評価がバーンとわたしの中で決まったのは、永夢のまどかちゃんのお父さんに対する台詞でした。

難病の娘に理想の世界を与えたい、なんならそこで生きていてい欲しいと願うお父さんの気持ちはわかる。わかるが、永夢の言う通り、まどかちゃんが望んでいるものとはそれは違う。

わたしには子どもはいないし、辛い治療の経験もない。だから、なにが本当に正しかなんて、わからない。
わかんないけど、生きようとしているまどかちゃんの手を握らないで姿を消したままのお父さんの行動は、違うと思う。だって、もしそれでまどかちゃんの病気が治っても、命が延びても、手を握ってくれるはずの人がいなかった寂しさがなかったことにはならないもの。

今までも、死にゆく魂のために世界を壊そうとしたキャラクターは、この仮面ライダーで何人も出てきたけど、今回のこの台詞は医者である永夢にしか言えない言葉なんじゃないかなと思った。
永夢は決して、手術すれば全快するとは言わなかった。すごく、正しい。医者として、人として、誠実だと思う。
それを踏まえて、なお、「笑顔でいさせてあげることが大人としての責任」と言い切った。わたしはここに、永夢の主人公性を見た。

それにしても「大人として」ってすごい台詞だと思う。だってこれ、子ども向け映画なんだよ。
子どもたちに夢を見せることではなく、大人は君たちと真剣に向き合っているんだというメッセージを入れるの、わたしはすごくえらいことだと思うし、信頼できる。
子どもにはまだ理解はできないかもしれないけど。でもだからこそ。それに、そういう台詞を入れてるってことは主人公を一人の人格として認めていることだと思うから。


…ただ…願わくばテレビシリーズ序盤でこれくらいの心意気を見せて欲しかったというのは正直ある。テレビシリーズでやり残したことがこれというのは、なんというかもったいない…

気になったところ

というわけで全体にすごく良かったんだけど、だからこそ、一点、気になることが合ったりもする。

冒頭、まどかちゃんについて永夢と明日那が会話を交わすとこで。お父さんがいない、お母さんしかそばにいないというところで、「大変だね……」。というのは。どうなんだろう?

なんか、2017年なんだし、もう少し、違う言い回しは出来なかったのかなあということをずっと考えている。

そここだわるのかよって言われるかもしれないけど、繰り返して言うけど全体としてすごく良かったから、気になっちゃうんだよね。
細かい言い回しをこそ、どう描くかってのが、脚本の面白さだと思うし。

総評:おもしろかったです!

冒頭の変身シーンもめちゃめちゃ高まりました。みんな、変身ポーズのキメが堂に入りましたなあ…などということを感じ取れるのも夏映画の良いところですね。