double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダーエグゼイド 33話〜45話(最終回)感想

ちゅうわけで見終わりましたー!

全45話は最短かな(『DCD』を除く)。とはいえ、コラボ回が結構あった『キバ』全47話や『オーズ』全48話、『鎧武』全47話(全部武部P作品だなあ)を考えてみると、突出して短くはないんですね、こうしてみると。

感想はざっくりと、大きな話は総括に回すんですが、この最終章、わたし楽しかったですよ。
クロトがまーやりたい放題でめちゃめちゃ笑いましたし、あとは良い流れに良い演出がついてて、引き込まれた場面もいくつもありました。
とりあえずわたしのメモには「上堀内監督」の名前が二重丸で囲ってあります。
ここまで見て、ああこれが見れて良かったなって場面があって、途中でやめてたらそれは見れないんで、続けて良かったなと思いました。
でもまあ、やっぱり序盤で抱えた不満は残り、ていうか、それについての考察も深まったという感じでした。
まあそれは総括で。

さて、感想。

キャラとストーリー

まずは真のラスボス・クロニクル。いやー、貴水博之さん、こんなに出ずっぱりとは思いませんでした。
しまいには鼻歌まで!ぜいたく〜!
なんか、ミュージシャンライダーで対戦できそうですよね。強いのばっかりだし。
おもしろいなーと思ったのは、クロニクル、ポーズは困らせられるんだけど、存在的には絶対的な強さではないんですよね。
どう攻略するか、っていうのが肝で、ゲームテーマらしいなって思いました。

飛彩先生はここにきてやっとスポット!小姫ちゃんおよびそれにまつわる大我との因縁が明かされ、それはそのまま大我とニコの話にも繋がるのでした。
婚約者の命と医者の使命、どっちを選ぶ?という難題に対し、それほど引きずることなく話を進めるのが『エグゼイド』らしいなー。サクサク行くよね。
でも、ここでもたもた悩まれると、医者だろ!って言いそうになるので、進んでくれてよかったです。
とはいえ飛彩がめっちゃやつれてて、心底苦しそうなのが伝わった。それを踏まえて、最後の慟哭はすごく良かったです。

あ、あと、役立たず(ゴメン)のパパがここで仕事してて、良し!とずっと言ってました。

んでもって、飛彩と大我の物語の終結としてのグラファイト戦。
いやー、途中、グラファイト影薄くない?と思ったんですが、おつりがきましたね。
パラドがあの道を選んだ一方で、悪役ゲームキャラとしてのアイデンティティを貫いたってのは大きいですね。

ところで、『エグゼイド』、最終戦もなんですけど、戦いが夜から朝と時間推移がハッキリとしているのがなんか印象に残りました。

永夢はどんどん低い声が出るようになって、すごかったですねえ。貴利矢との殴り合いのところはびっくりしました。顔立ちが優しい系なんで特に。
しかし、やっぱり一番の見せ場はパラドとの決着でしょうね。演出もあいまって、ここ、本当にすごく良かったです。
なにより、医者として怒っていたのがとても好きです。ていうか怖いな…良太郎といい、大人しい人が怒るの超怖い。
また、パラドの方も享楽的な態度から一転、子どものように死に怯え、罪に震える姿は、自業自得と思っていながらもヒヤリとしました。

そして貴利矢復活!おかえり〜!
しかし、序盤でわたしが貴利矢を支持していたのはその時点でひとり安定した演技だったからなわけですが、帰ってきたこのタイミングではみんな立派に役を習得していて、画面が見やすくなっており、良い意味で贔屓する必要がなくなっておりました。

医者とゲームがテーマの作品で、復活ってのはどうなんだ?と探り探り見ていました(その意味で小姫ちゃんを諦めたのは偉いなーと思った)。結論としては、そもそも死んでないという見解が示されてそこはクリアということになるのかな。
そして、貴利矢自身も、自分がよみがえったのは使命のため、ということで、安易な復活にならないように気を配られていた印象はあります。
うーん、でもなー。あの辺、もっと強調して語られて良かったと思うんだよなー。生き返りに対する考え方は、医者がテーマなだけに、もっと正面からやってほしかったですね。
ただでさえ、ゲームって何回も復活できるしリアルじゃないよね、という批判が世の中にあるので、そこに対する反論は聞きたかったです。

さて、みんな大好き壇黎斗神。
いや、神て。ていうか、神ではなくない?一定の条件下のみで万能という縛りは神ではなくない?ねえねえ〜…とクロトをつついてみたい気持ちがあったりなかったり。いじりたいじゃん、あいつ。中の人も活き活きとしており、正直、『エグゼイド』で一番描かれていたのではないか疑惑がある。高橋さんもっと遊ぼうぜ!
永夢も貴利矢もずっと嫌いなのがウケますな。最後に温情が加えられたの、あれは完全にポッピーに免じてだからな…覚えておけよ(無理)。
過労死のとこはめちゃくちゃ笑いました(いや笑えないんだけど本当は。黎斗はライフがあるから過労死するほど自分を追い込めるんだろうな…)。永夢にキレられるのも含めて。とはいえ、攻略法が見つかったときは二人してはしゃいだり、そこは二人ともゲーマーだよね、本当(あそこ好き)。

演出

正直、ここにきて演出が超良くて、それで最後まで見れたってとこ大きいです。いや大事。映像作品だから。
特に良いな!って思ったのは二点。

一つが、無音を使った演出。クロニクルのポーズや、パラドの消滅の辺りですね。また、パラド関連では、水の使い方もからめてきて最高でした。
というわけで上堀内監督の名前を必死にメモってました。冬映画では監督だよヤッホウ!
永夢がパラドに死を教え、そして赦し、受け入れる一連の流れは、脚本も力はいってましたし、飯島さんがなによりスゲエ良かったし、演出もこれだしで、こう一年見続けてきた甲斐みたいなもんがありました。平成ライダーにはこういうことがあるんだよなあ。

二つめが、空間を活かした、ヒキの画面、余白の画面の多用です。
これは誰の専売特許というわけでもなかったかな?だから、『エグゼイド』らしさといえばいえるかもしれませんね。
空を活かした屋上の場面や、暗がりの中クロトに手を差し伸べるポッピーをヒキで撮る場面など、余白が多いおかげでなんだか透き通った印象が残りました。
子ども向けだから、どうしても詰め詰めになるところを、こうした表現を多用したというのは、なにげにすごいことなんじゃないのかなあと思いました。

あ、あと、山口監督。わたし、『エグゼイド』はのんびり見て、気になったら調べるというスタイルだったのですが、「お!?この爆発は!?」となってクレジットを見ると山口監督なんですよねー。いやまあ『ゴースト』のころからそうだったんですが。山口監督も注目している監督です。

わたし的には『電王』で印象深い田村監督がまたライダーに来てくれたのも嬉しかったです。なんか画面が違うんですよね。こう、硬質というか。

命がテーマ

テーマに関しては、確かに最終章で爆発!といった感じでしたね。正直、舐めてました。ごめんね!
命、そしてさらに健康のありがたさまで。真摯な脚本もですが、なにより、若い役者さんたちの真剣さが説得力を増していました。
パラドは死の痛みを知り和解し、グラファイトはバグスターであることを貫いて消滅し。永夢は命と死を抱え込むことでそれを昇華させる。

わたし、好きですよ。すごく良かったと思います。ただ一方で、パラドはともかく、壇正宗に特にドラマがなかったのは残念でした…経済効率を優先して命をもてあそぶ黒幕って、ちょっと古くないか。そこはもっとなんかあったろうと思うのですよ。せっかくの貴水博之さんだしさあ。

そこんとこは夏映画で昇華って感じでしたかね。それはそれで、全部やった!と言えますが、一方で、映画に回すなよ…とも思います。

あと、映画の位置づけ。それについては最後まで見る前に見て、よし最終回を見てから言及しようと思ってたんですが。
別にかん口令をひくほどの秘密ではないのでは…?



てなわけで、とりあえず、書きたいことをさっと書いたらこんな感じです。
なんか絶賛ぽくなっちゃったなあ…というのはですね。『エグゼイド』、減点方式だと評価キープなんですよ。
その辺の話は総括の方で。


まあ今はとにかく、『エグゼイド』役者さん、スタッフ、一年間おつかれさまでした!!!