double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大戦

タイトルなっげっ!
年末ぎりぎりに見てきました。いやあ、軽く風邪をひいてしまい、治しているうちに気がつけば新宿バルト9ってば午前中の回しかなくなちゃったもんだから見れなくなるかとひやひやしました。
年末は新作映画ラッシュだからすぐ上映枠が減る…

とってもおもしろかったです!がんばって時間作ってよかった〜。2回目行きたいけどさすがに暇がない…
イイ話だし、イベント感もあるし、満足満腹。感想はそれぞれのパートに分けました。では以下!


※なんか長くなりました。つくづくわたし仮面ライダー大好きだな。

仮面ライダーウィザード 約束の場所

さようなら、ありがとう、コヨミちゃん…
コヨミちゃんとお別れするお話。ええ話すぎる…!

晴人の中のドラゴンを狙うファントム・オーガ。晴人を絶望させるため、ホープの指輪を奪い、コヨミを悪のライダーとして生まれ変わらせます。コヨミを倒して絶望するか、倒せないままコヨミが人間を苦しめる様を見て絶望するか…究極の二択が晴人に突きつけられる!

もうね、ここまでヒーローとヒロインにスポットが当たったライダーがあったかってね(『555』くらいか)。
オーガなんて正直、場を成立させるためだけの役回りですよ!中の人こと敦士さん、迫力あってよかったけど。あと、オーガのデザインはとてもエグくてよろしい。あれ好きな怪人枠に入るな。

コヨミちゃんの精製はなんとも奇妙な方法だな。あれおもしろいアイディアだなあ。
再生というよりは、データの再構成だから、「擬似コヨミ」ってとこかな?
悪のライダーというわけで、白い魔法使いと同じデザインなんですけど、ちゃんと女子仕様で素晴らしい。確認はしてないんですけど、スーツアクターさんも女性の方ですね、あれは。笛木と同じ笛型の剣使うんですけど、その握る手がちっちゃくって、ちょっとドキドキしちゃった。ベルトを動かして手をかざすのも扱いづらそうなんですよね。あれか、あれに対する感情が「萌え」か。
擬似コヨミは実はそんなに強くはない。だけど倒しにくい。そういう表現もうまかったなあ。

ホープの指輪を捨てると言って捨てられなかった。晴人の迷い、弱さがこの事態を引き起こした…っていうのは、その通りなんだけど、その通りだからこそ切ない。だってそんな簡単に、吹っ切れるわけないさ!本編ではそこまで描かずに終わるのは正しいと思うし、でもそれをこうして番外編で扱うのも正しいと思う。
だからこのお話は、コヨミちゃんにちゃんとお別れを言う話。52・53話では達成を得られたし、この映画では気持ちにケリを付けられたし、ここまで何回もちゃんと終わらせてもらって『ウィザード』は幸福だな。

しかし擬似コヨミを止める場面…。あれは実に素晴らしい。
あれ、女子はキャーキャー言うね。後ろからハグだと…!しかもヒロインがガワでヒーローが生身って珍しいな。
いやーもう、あそこまで来ると、恋愛とかどうこうじゃなくて、絆の話だよね。もうね、イイ話すぎてぐっときたね。晴人、声震えてるしさあ。
ありがとうって伝えられて良かったね。

しかしあの擬似コヨミは血色が良すぎるので、やはり偽者だな(笑)

お話も良かったけど、ヒーローアクション映画としてもすっごく良かったー!
音楽がぴったりハマっていてかっこよかった!特にドラゴタイマーでウィザード4フォームが並び立つところと、仁藤がビーストに変身するところ。話の流れですごく盛り上がったところで変身ってだけでもテンション上がるのに、音楽の最高潮も合わさってきたらチョーイイネ!ってなもんですよ。
それから、今回特に画に気合が入ってた!田崎監督の本領発揮!うひゃー、超かっこいい!すっごい色んなアングルから撮ってるし、そのどれもがクリアーで切れ味が鋭い。田崎監督のはこの鋭さがすごく好きなのです!

オーガとの決着は、なんと晴人のアンダーワールドで!この趣向も素晴らしいぞ!
アンダーワールドが以前のと違うんだよね。両親の死の場面からコヨミとの別れの場面(および面影堂)に変わっていた…っていうの、地味に良かったなあ。まああれはお話の都合もあると思うんだけど、ファンとしては少し深読みしたくなっちゃうよね。なんか、この一年で晴人にはたくさん得るものがあったのかなあ…なんて。
そしてなんと、次々とよみがえるコヨミとの思い出の中で一騎打ち!む、胸にせまりまくるじゃないか!
しかもね。状況としては超絶ロマンチックではあるんだけど、画としては不思議なほど切っ先が鋭くて…つまり情緒に流れすぎてなくて、それがわたしはすごくかっこいいと思った。かっこいい、って言葉には本当はいろいろな意味がある。あれはかっこいい画だ。
あれはむしろ脚本が女性だから実現するクリアーさなんだと思う。男の人だともっと情感でちゃう、ロマンチストだからね。でも靖子さんの、同じように情緒からは距離を置いているんだけど、あと一歩踏み込んだら全員泣き出すしかないような感情の緊張があるような作風とも違うね。香村さんの脚本でライダーってもっと見てみたいな。あとまあ、これに関しては、かなり理で作る田崎監督が撮ってるってのもあると思うけど。

炎の攻撃をコネクトで逃がすって技を使ったのは、このパートでしたっけ?あれいいよね。

そんでもってあの奇跡の演出もよかったなあ〜。瞬平!オイ、瞬平よかったな!すごいなんか嬉しいぞ。最初にワンクッション、笑いを取っていたのも良し。凛子ちゃんをはじめ、全員に見せ場があったのも良し。香村さんはイイ仕事しすぎだぜ!

仁藤も相変わらずかっこよかった〜。おバカでクレバーで熱いとか、持ってるもの多すぎるぜ。
しかし、またでかい荷物を背負うことになってしまったがな…大丈夫なの?もうこうなったら、エピソードゴールドあたり作って仁藤の物語を完結させようぜ東映!永瀬さんが忙しくなる前に!(もう遅い)
まあそもそも仁藤の物語自体がないので、始めて終わるのもアリだと思うのですよ、実際。

無事にオーガも撃破し、ついに晴人はホープの指輪を手放す。それは、晴人のアンダーワールドの中…
アンダーワールドにいるコヨミへ。「どうしたの?急に」なんて、ふつうに話しかけてくるコヨミちゃんに胸を衝かれます。そうだ、コヨミちゃんはいつだって晴人や、みんなの思い出の中にいる。あの笑顔のまま…
自分の中にコヨミちゃんの化身である指輪を眠らせてあげる。なんて一心同体なんだきみらは。でもきっと、それが最善。きっと、コヨミちゃんも一番喜ぶ選択なんだと思う。
理があって、情がある。素晴らしい答えだと思いました。

にしても、晴人はこの先どうすんのかなあ。さすらいのファントムハンターとして生きていくのかしらん?でもまあ、それは、別のお話だね。

うーん、やっぱり、なんだかんだ言ってたけど『ウィザード』好きだったんだな、わたし。登場人物がみんな、優しいからね。この映画でも、落ち込む晴人に輪島のおっちゃんが語りかける、あのシーン好きだ。
優しくあることを強調しすぎて自分たちだけ無傷であるようなお話はノれないんだけど。『ウィザード』は、なんというか個の領域を尊重しながら優しさを保持する人が多くて、それがすごく好きだな、わたしは。
あ、あと、白石さんをはじめとした役者さんのアドリブがやっぱりすごく効いていて、あらためてこれが『ウィザード』を膨らましていたんだな、と再確認しました。特にこの映画はその場面がたくさんあって、ファンとしても楽しかった!ありがとうキャスト陣!


仮面ライダー鎧武 戦極バトルロワイヤル!

武神ライダーって設定がツボすぎるぜ!燃えるな〜。これで一本ゲーム作りません?バンナムさん!

いつものごとくのダンスバトルの最中、乱入してきた怪物を追って紘汰・ミッチ・戒斗の三人はヘルヘイムの森から別世界へ迷い込んでしまう。そこは「武神」と呼ばれるライダーを家臣に従え、数々の武将が天下取りを目指して争う戦国の世だった。三人は果たしてそこで何を掴むのか?

本能寺が教会だったり、牧師が着物だったり、世界観がごっちゃでおもしろい〜。これもすごくツボだ!
そんでもって、話が錯綜している上にバトルシーンが多くて見応えがあった。ちょっと驚いた。脚本が毛利さんだから、もっと具の少ない感じになるかと思ってたから。それでいて感情の動きの濃度は相変わらずなので、情報量が多くてすごくおもしろかったです。

戦国の世に放り込まれたビートライダース。戒斗は信長に、紘汰とミッチは家康に関わることとなる。
各地の武将が賢吾とか名護さんでくすって笑っちゃった。特に名護さんを出すのは卑怯。陣営にジープありましたが、あんなのよりパワーショベルを出せばいいのにと思った人はわたし以外にもいるはずだ。秀吉=照井ですがあれは中の人(笑)。なんでエンジンブレード持ってきてるんだ。
信長は伊達さん。迫力あるぅ!力を求める戒斗がその衣鉢を継ぐことになるんだね。
んでもって家康のJOYさん!JOYさんがすごく良い!いやマジで。正直、この鎧武パートは紘汰役の佐野さんと家康役のJOYさんがここまで良かったからしっかりしたものになったと思うよ。

演技がうまいっていうのとは少し違って。いや、台詞回しとか動きとかにも瑕疵ないんだけどそれ以上に。この間のラジオでゲストに来てたときご本人も言ってたけど、JOYさんという人物に求められているものを過不足なく出し切ってたと思う。でもそれってすごいことだよ。初めての映像作品でよくそれが出来るな!
東映のHP見ると、JOYさんはずっと「オレ、出来てる?」って感じだったらしいですが、それであの伸び伸びとした振る舞いとは、すごいなあ。大きい人だな!この映画での家康という人の、シビアさを裏に隠して明るく生きるという器の大きさが実現されていた。「オレが泣けば満足なのか」ってとこ、重みが垣間見えて良いね。あと、今は亡き武神ウィザードを語るときの表情。ああ本当に仲間として繋がっていたんだなあ、って伝わる。
JOYさんはもっと演技の仕事きていいと思うよ!

そんでもって紘汰。紘汰良かったー。
「人が死んだんだ!俺の手の中で」ってとこがいいね。本編と同じく遊びで戦っていた紘汰。でもはじめて重みを突きつけられる。
何度か書いたけど佐野さんは怒りの表情がすごくいい。本当にストレートに理不尽さに怒っている。あんなに真っ直ぐに怒れるというのは難しいと思うよ。演技でも、実際でも。イイ奴だな、紘汰は。
紘汰はさ、本当にワケが分からないんだよね、天下取りのために人が死ぬこと・死なせることが。世間知らずの子どもの身勝手な正論では、ない。ここのところが出ているというのがこの映画の、ひいては佐野さんの素晴らしさなわけです。「争いで死ぬのは間違っている」という正論ではなくて、「なんで争って人が死ななければならないんだ」っていう根本からの戸惑い。本当に紘汰は普通の真っ直ぐな青年だな。でも、だから、家康の生き方に触れて、晴人(そう、晴人ともう遭遇してるんだ)の助言と舞の励ましに背中を押され、「じゃあ戦いそのものを終わらせよう。そのためにこそ戦おう、力を使おう」というところに行きつけるわけだ。*1
よくあるテーマではある。けど、この映画は実感にまでたどりついてる。こういうのが生まれるからわたしはライダーが好きなのだ。

戒斗と紘汰の一騎討ちはかっこいい!生身でやりあうのはいいけど、オレンジとバナナが困ってるよ(笑)
マンゴーとパインの打ち合いは実にデストロイである。

さらに龍玄と斬月も加わって、4人そろいは燃え上がるね!
ここじゃないけど、スイカアームズの動きがとってもキレがあってかっこよかった。攻防一体すぎるな、あのアームズは。
貴虎兄さんがミッチと顔合わせちゃったのにノーリアクションなのは、まあもうしょうがないのでわたしはスルー可。

しかしこれ、撮影って本編の第1話とかその辺なんだよね?しかしそのわりに役者さんの把握の確かなことよ。脚本も演出もまだ迷っているというか掴みきれてない感じはあるんだけど、役者さんがしっかりしてるからそこまで本編と違和感を覚えずに済んだ。たいしたもんだなあ!
あとやっぱり根本の「素人がだんだん戦いというものを知っていく」というコンセプトがしっかりしているからかな。お話の骨子の部分が本編とがっちり噛み合っていたのも、勝利の要因。あと、世界設定の部分がとてもおもしろく仕上がっていたからその賑やかさでも盛り上がっていたし。良いですよこれは!

冒頭のダンスシーンが、どのチームもとてもかっこよかったので、東映公式youtubeは編集してPVを上げるべきである。


戦国MOVIE大合戦

天下統一も、ついにクライマックス!最後の敵「武神鎧武」を倒し、敵怪人に吸い込まれたミッチと仁藤を救い出すのだ!というのがこのパート。
もうあとはカッコイイ戦闘の乱打ですよ!

悪の武神鎧武は、刺青(?)がネガ電王とほぼ一緒ですね。そしてあいつは結局なんだったのか…でもまあいいや。力が結晶化するときにはああいう存在が生まれるもんだしな。

ところで、インフィニティの指輪。あれ、チビ晴人にあげちゃったから、今の晴人持ってないんですよね。だから家康からもらってやっと変身できるんですよね。最強フォームがなかなか発動できないライダーというのも珍しい。

空中戦の迫力がすさまじかった!すごい速いの。あれはいまんとこわたしが見た中で一番スピード感があるね。
あと今回、ミニチュア特撮のシーンが多かった気がする。印象に残った。まあ、「特撮博物館」で初めて触れたようなド素人の感想ですが。なんかリアルな感触があってよかったです…リアルっていうのは、なんというのだろう、現実そっくりというのではなくて。そうじゃなくて、生身感とでも言えばいいのかな〜?

そんでもって、いろいろやりあって全員そろったところで予告で散々あおられましたレジェンドライダーアームズ。…いやあ、あれすごいな。
わたしの行った映画館、なぜかみんな反応が薄くて…「ええっ」って言いたかったの、すごくこらえました。ええー!
えーと、えーと、オーズとウィザードはわりと普通。仁藤のボケが素晴らしすぎて感動(笑)。ダブルは、なんかああいう服ありましたよね?おやすみパジャマあたりで(後ろになった頭がフードにしか見えない)。
んでもって斬月・フォーゼアームズ。白だからってこの組み合わせ…っ!兄さん、「キター!」の「キ」まで言ってたし!そこまで言ったんなら全部言ってもいいと思うよ!
変身音声が鎧武仕様だったのが一番笑ったかもしれない。
戒斗はタカのコアメダルをどうしたんだろう。剣に入れたのはセルメダルだよね?
仁藤が大はしゃぎで晴人があしらうという構図が楽しい。

武神鎧武も倒し、この世界の危機もひとまず救い。めでたしめでたし、で、ウィザードチームも鎧武チームも元の世界に戻る。
ところで、いつもだと異空間へはチャックが開くんだけど、この世界だと巾着の口なんですね。おもしろーい。
キマイラが気に入ったってんで仁藤はなんか大量にロックシード集めてたけど…でもそれ当座のしのぎにしかならないよね?
紘汰たちもまた、日常のダンスバトルへ帰っていく。テーマソングの軽快さもあると思うんだけど、あのラストシーンからのエンドロールへの流れは、なんかまだ彼らが若者の世界にいるって感じがしてなんとなく好ましかったです。
しかし…なんか最後に不穏当なシーンがあったぞ…!?
次世代ベルト?そして女の子ライダー!?っていうかあの女の子かわいい、かわいいぞ!武部さんはイケメン発掘能力ばっかり取り沙汰されているけど、女の子のキャスティング能力ももっと語られるべきだと思うよ!


てな感じで、いやあ堪能しました!

*1:「争いで死ぬのは間違っている」をやったのは『龍騎』なわけですが、あれは正論を通すためにガリガリ身を削られる話なんですよね。そもそも出発点が「自分の願いを叶える」という大義なき戦いだし。そのへん、この映画はまた違う話してる。