double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダードライブ第46・47話

一年前に発生したグローバルフリーズ…それがすべての発端だった…
あの日、進ノ介は罪を背負い、霧子は笑顔を失くした。
ロイミュードたちは力と統率を手に入れ、新たな脅威として活動を始めた。
しかしていま、進ノ介は仮面ライダーとなり、ロイミュードたちは超進化を遂げ、さらには、今まで見えていなかったもっと大きな悪の存在が明らかにされた。
三つ巴の戦いは、いま、最終局面を迎える。
最後に見出される真実とは!?


つうことで『仮面ライダードライブ』最終回であります。とりあえずここでは、この46・47話のみの感想をば。総括はまた別に。
なんで二話まとめての感想なのかっていうと、でないとうまくまとまらないかったからです!!!ごめん長い。
いや、47話は本当に最後のまとめって感じで、戦いの決着そのものは46話でついてるんですよね。だから、47話の感想だけ書いてもなんか空虚だなーと思いまして。
予備回も残してこんなにきれいに最後を締めるとは、最近の平成ライダーはどうした!真面目か!(動揺)あ、でもすごく消化しやすいんでいいと思います。

VS蛮野博士

さて。45話のチェイスの自爆(おお、チェイス…)は剛を助けることは出来ましたが、蛮野を倒すまでにはいたりませんでした。
くっそー、わかってたけどな!
しかし、そのおかげで(うう、チェイス…)剛は未練を振り切り、チェイサーマッハとして立ち直ることができた!
ここ最近失いかけていた力強い戦い方を取り戻し、ついに己の罪の源泉である父・蛮野博士を止める目的を果たしたのだった…

うう、燃えたけど悲しい。チェイスがいなくなったのも悲しければ、それを受け止めなきゃならない剛がまた。
しかしまあ、他の誰がやるよりも、剛が蛮野博士を倒せて良かったのかもしれない。でないと、ずっと「未練」が残ってしまうからね。

チェイサーマッハは感動いたしました!色の合わなさがキメラ感が出て良い。ベルトの互換性がいかんなく発揮されてましたなー。
「返せよ、それは俺たちの武器だ!」とかね、もうね、泣きそうになるよね。翼が見えた時は震えたよ!
しかしまさか最後は生身で、シンゴウアックスでのとどめになるとは。夏映画でもそうでしたが、シンゴウアックスの重さは使用者の決意の重さ・行為の重さを示しているんですな。赤から青への流れは、見事でございました…

駆けつけた霧子ちゃんの泣き顔がまた悲しい。うわーって広がるような泣き方が子どもみたいでさ…
ああ、チェイス
しかし、剛の決意を見守るそのときは、霧子の顔はしっかりとした姉のそれに戻っていました。

霧子ちゃんにとって蛮野はまさしく親でもなんでもなかったんだろうなあ。長女なだけに、お母さんの様子からなにか察していたのでしょうな。
一方の剛は、優しいお母さんとお姉さんの感触から、一度も見たことのない父親にも愛着を持ってしまっていたんだろうな。
未練という言葉が良い得て妙だ。

さて、多大な犠牲を払いながら、蛮野という悪は倒した。しかし、彼の残した野望はいまだ実行中!まだまだ止まっている場合ではない!

VSシグマサーキュラー

完全無機物体がラスボスとは珍しい。
しかしまあ、その力の強いこと!超進化したハートとタイプトライドロンになったドライブでも跳ね返される。
ここの敵味方共同戦線は王道でありますが、やはり燃えますね。そもそもハートとは何度も歩み寄れそうな気配を感じていただけに、唐突な感じがないのも良いです。

強大な力の前に膝をつく二人。そこに現れたのは、戦線から一時離脱していたメディックでした。

チェイスの死を知らされて、なおさら自分の罪の重さに気づいたメディック。そんな彼女が実行したのは、わが身を犠牲にして、ドライブを助けることでした。

ここの絶叫がね、ものすごくてね。馬場ふみかさん、初めのころは、メディック本人にも動きらしい動きがなかったもんだからだいぶ無機質でしたが、終盤の展開とともに表情がすごく豊かになって。それがあってのこのメディックの決断は、ひじょうに重く感じられました。
ハートを助けて消えるのではなく、ハートを間違いなく助けることにつながるドライブの復活に自身を賭ける。本当に、本当にちょっと前の彼女からは考えられない行動。ブレンが見せた感情の変化は、メディックの心にまで変化を与えていたとは。

メディックの思いを受けて、ドライブは完全復活、ハートも気力を取り戻し、ついに、シグマサーキュラーを壊すことに成功!
しかし、変身を解除した進ノ介は、限界を超えた疲労からふらつき、空いた壁の穴から外へと落下してしまった…ああっ、ここまできてー!

VSハート

の前に、無理やりねじこまれたゴーストに朝食のヨーグルト詰まった。
いや、まじで人間、本当に不意をつかれると、口の中に含んだ流動体に「んふっ げふっ ぐふっ」ってなるんですね…
そう、落下した進ノ介を助けてくれたのは、次の主人公ゴーストだったのです!!!
オマエ次の48話に大きく出てくるから今来なくて良くない!?

あ、でも、戦い方は不気味で好きです。

ナゾの敵に襲われる進ノ介でしたが、ナゾの仮面ライダーに助けられて、無事元の世界へ。
って今気づきましたが、アレは臨死体験だったのかもしかして。
目が覚めた進ノ介の前には、大量の雨。そして、傷ついたハートの姿。

そう…蛮野を倒し、彼の野望を打ち砕いたけれど。本当の決着は、これなのでした。

ロイミュードVS人間!!
けれど…そう、視聴者と進ノ介と気持ちは同じ…ロイミュードとは、戦いたくない!もうこれ以上!

ロイミュードと人間と

てなわけで前フリが大分長くなりましたが、ついにこのテーマの決着がつくことになりました。
新たな種として出現したロイミュード。彼らは、彼らの倫理で動いているだけで「悪」とは言い切れない。しかし一方で、人間社会を脅かすなら、倒さなければならない。
悪ではない、しかし脅威である人間とは別の存在とどう向き合うべきか

それは、うすうすと描かれてきた(らしい)ことでしたが、わたしがはっきりとこのテーマを胸に刻まれたのは、終盤、幹部級のロイミュードたちが見せた大きな心の動きを見てからでした。
彼らの純粋さ、純真さ。それに比べて描かれる人間の犯罪のみみっちさ。そして蛮野という男の強烈な下劣さ。どっちと仲良くしたいといったら、そりゃ前者ですわ。
しかし、彼らの目的は、人間を支配下におくこと。共存は…たぶん出来ない。

本当の悪は 人間の中にしかない
最悪の正体は蛮野博士のことだった
ロイミュードは人間の悪意をなぞっただけだ 被害者みたいなもんだ
ベルトさんだってそれはわかってる

俺たち人間がそれを理解するのなら
きっとお前たちともやっていけるはずだ

そうさ、わたしも同じ気持ちさ、進ノ介!
でもね。でもそれは、結局、人間側のものの見方だと思うのよ。
だって、ロイミュードは、種として自分たちを確立したい。自分たちを虐げていた人間種族(蛮野のせい)を超越したい。それが願いだから。
「よろしくおねがしまーす」なんつって、すごすご頭を下げられるか!

だから…なんだというのだ!

だからわたしは、その差し出された手を突っぱねたハートを、そう描いた三条さんを評価したい。
ちょっとびっくりした。

悪は、倒せる。けれど、相反する存在がまじりあうことは、どうにも、これほど難しいことなのか。
最後に友情が生まれたことは、希望ではある。それをわたしたちはどう受け取ればいいのだろう。

優等生的に考えるなら、ひとつには、人間と違う存在だからといって悪だと思わない。
もうひとつには、人間と違う存在だからと言って蔑まない。
新しい生命を手に入れて、玩具にしない。
うーん、でもなあ。彼らが、種として主張を始めたら?やっぱり、そんなに素直に手を差し伸べれば済むことなのか?

『ドライブ』という番組としては、お互いを認め合うことで、一応の結末を得た。
進ノ介の判断は、刑事としてでも仮面ライダーとしてでもなくて、そのどちらでもある一人の人間・泊進ノ介のものと言えるかな。
刑事であり、仮面ライダーであるから、人間の悪とロイミュードの葛藤を覗き見ることが出来た。今作の仮面ライダーは境界線上の存在というよりは、状況を見る「目」の役割なのだろうか。存在が境界線というより、立場が境界線。
進ノ介の言う「そのとき」が来たとき、わたしたちはどうするべきなのか。それは、この物語を振り返って、これから各自考えていくことなのかもな。

物語の終わり

後半まるまる各キャラクターの行く末に費やすとは。丁寧か!ありがとう!

まずはベルトさんとの別れ。そうかー、責任感が強く、大事なことは隠しておくタイプのクリムだから、そう決断するよなあ。
進ノ介がその意図を見抜き、クリムがそれを喜ぶ。多くの言葉を費やさなくても、二人には、もうそれで十分なんだな。
しかしこんなにクリス・ペプラーさんが活躍するとは、いったい誰が思っていたろうか…

ベルトが封印され、そしてついに仮面ライダーの活動は終わりを迎える。

特状課は活動中止。解散ではないのかー。ちょい意外。
最初は寄せ集め感バリバリだったけど、いまではこうして名残を惜しんでる。うーむ一年経ったんだねえ。

そして剛ちゃん良かったねー!
ハーレー博士が来てくれた瞬間、「ありがとう!」って言ったからねわたし。
そうそう、今ここで自分を大事にしてくれる人を信じてね。
しかし、チェイスを蘇らせるんならりんなさんの側で助手でもしていた方が確かなような気がする。

そしてそして進ノ介と霧子。緊張の糸が切れてまた昼行燈に戻った進ノ介を、霧子が捕まえようとする、いつもの構図ですが…
ていうか、あーんて。ドライブデートか。(可)
まあ進ノ介の気持ちはわかる。だから霧子ちゃんも、強くは出れないんだろうな。
しかしそこへ現れた一台の白バイが、二人の気持ちを大きく前進させる!!!

ひえー、これは予想してなかった、チェイスのコピー元さんの登場!

いや、でも確かに、幹部級は全員コピー元が明かされてるから、そりゃチェイスもあるよな…

いやー、でっかいレイバンで隠しても、あごのラインの美しさで上遠野さんとわかるね!グラサン外した後も、わー、したまつげバッサバサ〜(話に集中しろよ)
声のトーンが、チェイスのときよりもちょっとだけ上がってるのが芸細です上遠野さん。

彼は狩野洸一であって、チェイスではない。けれど、チェイスが存在した確かな証のようにも感じられて。
吹っ切れるね!新しい友だちを得たあと、進ノ介はアクセルを踏み込む。明日に向かって。

俺 ずっと言いそびれてたことがあるんだ、霧子

お前は笑顔が一番だ

はい!

進ノ介が霧子ちゃんに伝えた言葉は、色っぽいものではないような気もする。ただ、素直に思っていることを、素直に言えた。そのことが、二人にとっての前進なんだと感じる。いつもは、憎まれ口ばかりだったからね。
そうやって二人は車を走らせる。未来に向かって。
子どもが生まれたら、チェイスと名付ければいいよ!(※エイジと史実で決まっています)


ありがとう仮面ライダードライブ!仮面ライダーマッハ!仮面ライダーチェイサー!
そして安らかに眠ってくれ、ロイミュードたちよ!