double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダー1号 本題に関係ない感想

ゴースト勢の意義

仮面ライダー1号』。シンプルなタイトルながら、見終わると、これしかないな、という気にさせられます。そう、これは、「1号」の物語。他の誰でもなくて。

でもわたし、1号のこと、良く知らないんですよね。だから今回、現行ライダーがこういうお祭り特別篇に絡んでくる意義というものをしみじみと体感しました。

この映画は、ほぼ説明なく1号の物語を展開します。
新しく語り直した『FIRST』は、語り直しだからこそ本郷猛が仮面ライダーになった経緯、そして戦う意志を固めた経緯を説明してくれますが、この『1号』ではそんなまだるっこしいことはしないのです。

タケルを介して、わたしは初代の仮面ライダーである本郷猛の物語に向き合うことができたんですよ。

この映画、かなりの割合で1号の話なので、「ゴースト勢いらないんじゃない?」とか言われそうだなーと思ったので、ここに主張しておきます。

ゴースト勢の魅力

んでもって、ものすごく感心したのは、実は西銘さん!なにって、アナタ、本郷猛=藤岡弘、が主役張ってる側で、委縮せずに天空寺タケルとして存在できているんですよ!
ただでさえ暑苦しい敏樹脚本と役者藤岡弘、のせめぎ合いの横っちょにいて、でも仮面ライダーゴーストとしての本分を貫き通す。なぜだ…なぜこの若さでそれだけの”自分”を会得できているのだ…!

あと、冒頭の歌がうますぎたのでキャラソン期待してます。

気おされずに存在できていたのは、アカリ役の大沢さんも御成役の柳さんも同じこと。アカリちゃんはちょっと感情的な姿が見れて楽しかった〜。嫉妬ほどデカい感情じゃなくても、そりゃ仕事与えて外に出した後輩がデレデレして帰ってきたらムカつく(笑)
マコト兄ちゃん役の山本さんは、よく考えるとあれだけしか発言なかったりするのに迷いなく存在していて、すごいなーと思う。本当に最近の若手さんは大したもんだな…

本郷猛

とりあえず、70歳とはなんだ。どういうことなんだ。
冷静に考えるとヒーロー物の主演が70歳っておかしくないか。そして実際画面の中で全然70に見えないのはどういうことだ。
動きのキレがすごい。軸がすごい。あと70歳であの体形維持もすごい。
そういえば声も、セリフの息継ぎが少なかった。やはり人間、身体を鍛えておけということなのだろうか。
よく考えてみると同時代ではないファン的には、こうして初代の雄姿を見られるというのは僥倖だよなあ。

ちなみに、今年の大河ドラマ真田丸』での藤岡さんの演技は、本郷猛とはうってかわってコミカルで、楽しいです。なんかヒーローとばかり思っちゃうけど、役者さんなんだよなあ。

でも遺体を燃やしてくれってすごい依頼だよね。見てる最中、臭いが気になってソワソワしちゃったよ(リアル)

麻由ちゃん

かわいいなあ、おい!
んでもってまた、本郷猛を「猛」と呼び捨てにするくらいの親しみと度胸を持ってるわけですが、それを体現できているのがすごい。無理しているように見えないんだもんね。

本郷猛との関係は、個人的にはプラトニックに「愛」って感じで、それがかえって良かった。
恋愛だと、感情が生々すぎるからね。
麻由ちゃんはきっと、何事もなければ、本郷猛にデレデレに甘えつつ、ちゃっかり好青年と出会って婚約して、見送ってもらって結婚するタイプの女の子だと思う。愛情を受け取るのに迷いのない人。

ちなみに諸君!冗談でも「わたしがかわいいからじゃないの!」と言える女の子は、多少なりとも自分に自信のある女の子だぞ!
でもだから嫌な女だよって話じゃなくて、麻由ちゃんは自分が女性だという自覚をしっかり持っているんだと思う。久しぶりにこのタイプの女の子を見たなあ、やはり敏樹脚本だ。

監督

脚本は、初代を書いた脚本家の息子である井上敏樹。監督は、初代とのアクションでの共演歴がある金田治。
意味性を強く考える白倉さんらしい布陣だなーと納得するとともに、でも、この脚本なら、他の監督でもおもしろかったなーとも思う。個人的に金田監督は多人数をさばくのが大得意って感じだから。

たとえば、構成力の強い脚本の読解が鋭い田崎監督や柴崎監督とか。田崎監督ならMr.平成ライダーとして、登板する意味も見つけられると思うし。

また、個人的には石田監督だったらどうかなーと考えてます。冒頭のカラオケシーンがめちゃくちゃだ(笑)
平成ライダー全作品登板という経歴もあるしね。

でもなー石田監督がこの映画とったらなー、ただでさえ暑苦しいのがさらに暑苦しくなっちゃうよなー…

みなさんはどんな妄想しました?

脚本

久しぶりに敏樹ライダー分を摂取したなあ…というのは置いといて。
お父さんが初代の脚本家であること、また、白倉Pの盟友であること、を差し引いても、今作の脚本は井上敏樹で良かったと思う。でないと、藤岡弘、さんの迫力に呑み込まれちゃうよ。

過去作のリスペクトが色濃い三条さんだったら、それこそ呑み込まれて現代の作品として成立できたかわかんないし。
繊細な靖子女史の脚本だとベキボキにおられそうだし。
米村さん、毛利さんでも、ちょっと重さに耐えられるか。
平成ライダーを見る限りでは、あと期待したいのは、高寺Pの地獄のダメ出しを乗り切った荒川さんくらいなんだけど、荒川さんだと昭和に寄り添いすぎちゃってやっぱり押し負けしちゃいそうだしなあ。

でも、考えてみると敏樹御大も昭和の世代(というかバブルの時代)の人なんだよね。
この映画でついに平成(前期)と昭和がつながったわけだから、そろそろ、もっと新しい書き手が出てきてもいいかもね。

ノヴァショッカー

阿部力さんって、あんな雰囲気だすんだー!かっこよかったなあ。
そして紅一点のイーグラは変身しないんだ!かえって斬新で良かった。これ、ほかでもやるといいよ。

戦闘員同士の酒場の喧嘩は脈絡なさすぎて何かと思ってたら、かもめんたる(芸人さん)のシーンだったのね。ごめんねパっと見でわからなくて…かもめんたるさん自体は『怪奇恋愛作戦』で知ってましたが。

謎のアイコン

アレキサンダー大王というチョイスには感心しました!これは史上最大の敵としてふさわしい。
まあ正直…冬映画のダ・ヴィンチそんな怖くないよねっていうか強そう感ないっていうか…(ごめんなさい)
にしても、ショッカーもノヴァショッカーも、そんなよくわからない相手から渡されたドーピング剤は使うもんじゃないよ。

ユルセン

あ、ここで出すんだって思った。

アクション

すごい迫力があってかっこよかった!
ちなみに一番記憶にのこっているのが、ラスト、復活した本郷猛が愛車で駆けつけひきたおすシーンです。まさしく仮面ライダー
1号のスーツアクターは次郎さんかしら?と思ったらあってた。わたしも見る目が成長したな…


力尽きかけてきたのでこの辺で。あ、あと、冒頭のバンコクの映像には感動した。映画だ!いつものナンチャッテ外国じゃないぞ!