double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

『鎧武』第16話簡易感想

このところの怒涛の展開の「受け」の回ですね。息継ぎ回といったところか。とはいえ、流れは滞らず。
力とはなんなのか?悪とはなんなのか?
こういう回がこういうタイミングである話は好きです。

自分たちをモルモット扱いしていたユグドラシル社。とはいえ、じゃあ同じ立場のほかのビートライダーズが仲間かというと、そうではない。彼らもまた、私利私欲で「力」を行使する。

っつーか、街があんな状況になってんのに使うのかよ!それはさすがに良いようには思ってやれないぜ、カスだな!

と、テレビの前で紘汰や舞とともに憤りに目の前が真っ暗になりそうになりながらも、しかし…やはり暴走したインベスにやられそうになったのを紘汰が防いでくれてほっとしたのも事実。
フィクションの中でならカスは●ね!という気持ちがないとは言いませんし、そうなりがちなのが勧善懲悪のお話なのですが。でも、どうしてかこのお話ではそれが見たくなかった。
なんでかな、と考えて。それは、『鎧武』に生々しさがあるから、というのもありますが、それよりも。
紘汰と同じ気持ちなんですね、もう。初瀬や裕也の行く末、街の人々のあの有様を目にしてしまったから。そんなものはもうこれ以上見たくない。それがどんな奴であっても。

敏樹脚本だと、逃げた後で死にそうだよね。こういう場合。

大きな敵だけでなく、小さな――だからこそもっと醜い人の悪を見て、紘汰は憤りを身に付ける。それを見ていると辛い。そしてそれは、お話の中だけのことじゃなくて、現実のわたしたちにも身近なことである。
でも、けれども。そうやっていちいち傷ついて、怒って、それでも優しさを保持する紘汰の姿は、なにか尊いもののような気がするな。


気づいたこと

ところで、この『鎧武』ではどうやら斬月が2号ライダーに位置するようです(東映公式より)。バロンじゃないんですねー。で、斬月はどうやら鎧武に正対しているようで、ということはなんとなく『剣』みたいな構図だな。

その斬月も一応彼なりの正義の視野を持って動いているらしく。…あんまり好きじゃないけど、でもあのミッチが膝から崩れるくらいの秘密だから、相当シャレにならないと見てよい。それがなんなのかわたしたち視聴者にも判明したとき、きっと斬月のやってることの方がむしろ正しいのかもしれない、となるのだろう。
情報を得て、そのために犠牲を切り捨てながら道を進もうとするのが斬月。いわば、貴虎は上からの正義紘汰は下からの正義ですね。何も知らないところからスタートする。
この二人の道がぶつかるときが次の転換点なのかな?

というわけで、「仮面ライダー『鎧武』に見る格差社会」の論考、誰かやってくれていいですよ(笑)。わたしは面倒だからやりません!
(追記:とか言ってたらなんとまさかのレスポンスをコメ欄にいただきました。またこちらに寄稿文として記事にさせていただきました。)


ヘルヘイムの森の秘密とは?

基本、平成ライダーに関しては物語の進行に身を委ねることにしていて先読みはしないんですが、まあちょっと思いついたんで。
どうも相当ヤバいらしい。どれほどかっていうと、街の人に奇病が広まるよりもヤバいんですよね、状況から見て。
森が侵食するのかなあ、人の住処を。ミッチが見たのは、侵食された街の残骸とか?でも、そんなことが起こっていたらさすがにニュースになるだろうし、もしかしたら、遺跡みたいのがあったりして、『クウガ』みたいに。

「ヘルヘイムの森が誰を選ぶか」というのが何回も使われているキーとなる言葉。選び方はわかんないけど、ただ一人が選出されて、その人の判断で何かが動くのかな。おそらく…人類の方向性を決める何かが。

てなあたりで、どうです?

どうなる、ミッチ

どうやらこのまま道を違えていくことになるのか…
さて、黒いだのなんだの言われているようですが、わたしはあんまりそうは思わない。
腹黒じゃないよ、ミッチ!いろいろ考えが回って、それで真っ直ぐ進まないヤツのことを全部「黒」とするのは納得がいかないよ!

だってミッチ、彼は彼でなんとか守ろうとしているのだもの、自分の大切なものを。
しかもそれは自分勝手な思い込みではなく、友情や愛情からだもの。
インベスに襲われている人のことをすぐに助けられないのは、いかんかもしれないけどさ。

だからわたしは、ミッチのこともなんとなくただ悲しい。もしかしたら今のところ彼が一番視聴者に近いのかもしれない。

あと、

坂東さんの台詞にニヤっとした人は挙手(笑)
でも、「弱いやつがみんな正義とは限らない」という言葉は深いぜ。

シドと貴虎のあの場面といい、虚淵さんの描く駆け引きは凄みがあるな。

辛い顔ばっかりしていた紘汰の、「よし、葛葉紘汰、集中!」には和んだ。こういう場面があるとありがたいねえ。
ラットとのやりとりも、清涼剤のようでした。最後は笑って終わるのが良し!