double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

日記

『エグゼイド』見終わってるんで、3連休にでも総括記事書きたいなーと思ってます。
うまく伝えられてないことも多いので、そのへんまとめきれるようがんばりますです。これまでの記事等を見て、引っかかることもあるかと思いますが、少々お待ちいただけると嬉しいです。

『ビルド』はまだ見れてなかったりします。これが終わってから…!

冬映画、「平成最後」と銘打ってきたのはちょっと笑っちゃいました。そゆとこ好きです。ご存知の通りオーズファンなんですけど、それよりなにより福士さんが来ることに驚いております。菅田さんもグラビアでたって言うし、盛り上がってますねえ。

ていうか『電王』10周年について書けてないな…漫画買いに久しぶりにアニメイトに行ったらイマジンズに出くわして「さすがだな!!!!」って思いました。あらためて見ると二次元イケメンキャラの中にあいつらいるのおかしいですね…大好きだ…

劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング

おもしろいじゃないか!!!

つうわけで、いまさらいまさらですが『エグゼイド』夏映画のざっくり感想です。
いやー…開始数分で胸の中で叫びましたね。おもしろいじゃないのさと。

見てから時間が経っちゃってるのもあり、つらつらと書き連ねたいと思います。

ゲーム的な画面

最初におおっと目を奪われたのは、まさしくカメラワーク、そしてアクションでした。
いろんな角度から撮ったり、ぱっと切り替えたり。『エグゼイド』の仮面ライダーってゲームキャラでもあるから、ちょっと極端なくらいがふさわしいのでしょうな。
あとザコ敵が忍者ってのも、動きに無駄がないのがゲーム的で相性が良かった気がします。

これはそのまま、ラストバトルが永夢=プレイヤーキャラ目線でのカメラワークにつながりますが、特にあそこはよかった!敵の触手(?)をさかのぼるところなんか臨場感たっぷりで。テーマもVRでしたしね。
この映画が『エグゼイド』のテレビシリーズの結実、集大成というのが伝わりました。

ていうか、映像、映画なので、やっぱりカメラワークでの表現って大事だよなって再確認しました。
冬映画やテレビシリーズ序盤で感じてた不満ってこのあたりにもあるのかもなって思いました。

キャラ描写の広がり

今作のキーキャラクター、まどかちゃんの願いによる仮想現実により、飛彩先生とか無免許(by飛彩)が子どもの運動会に放り込まれる!ってシュチュエーションはとても楽しくて良かった。そうだよ、こういうギャグが見たかったんだよ!

大我はニコがいるからテレビシリーズでも笑いが合って幅が広がってたけど、飛彩はなあ…決め台詞が多い分、いじりが見たかったんだよね。

この映画はたぶん、尺がキツかったテレビシリーズでは出来なかったことを入れたいって意図もあったのではないでしょうかね。

でもニコの小学生コスはちょっとなあ…(でも、徒競走した仲だろ?というセリフは良かった)
あと、まどかちゃんがキーキャラと言うことで仕方ない気もするけど、せっかくの映画、せっかくの仮想現実が運動会って、スケールしょぼくない?

『エグゼイド』ひいては永夢ならではのメッセージ

この映画の評価がバーンとわたしの中で決まったのは、永夢のまどかちゃんのお父さんに対する台詞でした。

難病の娘に理想の世界を与えたい、なんならそこで生きていてい欲しいと願うお父さんの気持ちはわかる。わかるが、永夢の言う通り、まどかちゃんが望んでいるものとはそれは違う。

わたしには子どもはいないし、辛い治療の経験もない。だから、なにが本当に正しかなんて、わからない。
わかんないけど、生きようとしているまどかちゃんの手を握らないで姿を消したままのお父さんの行動は、違うと思う。だって、もしそれでまどかちゃんの病気が治っても、命が延びても、手を握ってくれるはずの人がいなかった寂しさがなかったことにはならないもの。

今までも、死にゆく魂のために世界を壊そうとしたキャラクターは、この仮面ライダーで何人も出てきたけど、今回のこの台詞は医者である永夢にしか言えない言葉なんじゃないかなと思った。
永夢は決して、手術すれば全快するとは言わなかった。すごく、正しい。医者として、人として、誠実だと思う。
それを踏まえて、なお、「笑顔でいさせてあげることが大人としての責任」と言い切った。わたしはここに、永夢の主人公性を見た。

それにしても「大人として」ってすごい台詞だと思う。だってこれ、子ども向け映画なんだよ。
子どもたちに夢を見せることではなく、大人は君たちと真剣に向き合っているんだというメッセージを入れるの、わたしはすごくえらいことだと思うし、信頼できる。
子どもにはまだ理解はできないかもしれないけど。でもだからこそ。それに、そういう台詞を入れてるってことは主人公を一人の人格として認めていることだと思うから。


…ただ…願わくばテレビシリーズ序盤でこれくらいの心意気を見せて欲しかったというのは正直ある。テレビシリーズでやり残したことがこれというのは、なんというかもったいない…

気になったところ

というわけで全体にすごく良かったんだけど、だからこそ、一点、気になることが合ったりもする。

冒頭、まどかちゃんについて永夢と明日那が会話を交わすとこで。お父さんがいない、お母さんしかそばにいないというところで、「大変だね……」。というのは。どうなんだろう?

なんか、2017年なんだし、もう少し、違う言い回しは出来なかったのかなあということをずっと考えている。

そここだわるのかよって言われるかもしれないけど、繰り返して言うけど全体としてすごく良かったから、気になっちゃうんだよね。
細かい言い回しをこそ、どう描くかってのが、脚本の面白さだと思うし。

総評:おもしろかったです!

冒頭の変身シーンもめちゃめちゃ高まりました。みんな、変身ポーズのキメが堂に入りましたなあ…などということを感じ取れるのも夏映画の良いところですね。

仮面ライダーエグゼイド 24話〜32話感想

なぜ32話?ってことですが、キリがよさそうだったので。仮面ライダークロニクル始動〜クロノス降臨までです。便宜上、第3章と呼びますが、公式にはたぶん違う。

3章に入ってますます人情話が削られ、バトルゲーム物としての側面が強くなってまいりました。個人的には事実関係の整理把握がしやすくなったんですけど、世間ではわかりにくいと言われていたようで、バランスってのは難しいですね。

相変わらず溜めてるんで、今回もざっくりとキーワードについての感想になります。

仮面ライダークロニクル

難易度高すぎてクソゲーじゃねーか!!!
と突っ込んだ矢先、むしろそのせいで一般市民が参加せざるを得なくなってしまい、なるほどとなりました。

すわバトルロイヤルか!と思いきや、あくまでこれはゲーム。すでにまとまったライダーたちは各々の立場はあるにせよ、基本的には協力プレイ路線です。
目指すのはノーコンティニューでクリアだぜ!(※そもそもコンティニューさせてもらえない)

『エグゼイド』はモチーフであるゲームをきっちり踏襲しているところ頑張るなーと思いますね。
しかし一方で、ただの場面設定でもない。
仮面ライダークロニクル」のキャッチコピーは「誰でもヒーローになれる!」ですが、つまり裏返せば「誰がヒーローとなり得るのか?」ということなんですね。
例えば『龍騎』『剣』の個人や種族のエゴによる勝ち残りゲーム…ではなく、「クロニクル」では参加者たちはむしろ「誰かを助けたい」という思いで参戦するのです。
大義名分がある。欲望だけではない。
じゃあそんな中でヒーローとは?となる。ヒーローとは、ゲームをクリアすることのできる力を持つ人…そう、気持ちだけではヒーローにはなれない…だからこそ、戦える人の肩には使命と責任が重く課せられるのですな。

従来、「ヒーローになりたい」はひとつの欲望と解されてた作品が多かったので、ひねりつつストレートな設定は新鮮でした。

てなこと言ってる一方で、じゃあヒーローってのは純粋無垢なのかというとそうでもないという展開も行ってくるんだからよく考えられてます。てことで次の項↓

バグスター

ゲームというモチーフは、むしろこの敵設定のためなんじゃないかと思えるくらいきっちり使ってきますね。

バグスターは人が生み出した存在。ここまでは、まああることです。
しかしなぜ生み出されたかというと、「人間に倒されるため」。これはそのままヒーロー物の構造になっていきます。
つまり、敵がいるからヒーローがいるわけではなく。ヒーローが存在するために敵がいる、ということ。

ヒーロー物のジレンマと申しますか、厳しいところに切り込んできたな、という感想です。
非公認戦隊でパロディとしての扱いでやっと言及してたような話だぞおい!

そこで反旗を翻すバグスターのパラド。その彼は、なんと主人公・永夢の影!
そこまでやるかー!

というわけで、ヒーローってのは、マッチポンプで繰り出される虚構の英雄なのではないのか?という、ヒーロー物が背負わなければならない一種の欺瞞について、果たしてどう落とすのか楽しみです。

初の女性仮面ライダー・ポッピー

まあこれはわたしが言及せねばならんところですな。
つうのはまあ、こんなことを書いていたからですが。女子高生仮面ライダーに意味はあるのか〜『仮面ライダーウィザード』試論 - double standard

女性ライダーってのは、ずっとスポット的な存在だったんですよね。
これまでの準仮面ライダーというべき女性ライダーたちは、ある意味で派生品というか、色替えキャラというか、彼女たち一人一人が仮面ライダーとしての属性を担うものではありませんでしたからね。
タックルさんのことはまったくわからないんで、申し訳ないのですが脇におかせていただくとして。
龍騎』のファム。『剣』のラルク。『響鬼』のあきらや朱鬼。『キバ』のイクサ。『DCD』のキバーラ。『フォーゼ』のなでしこ。『ウィザード』のメイジ。『鎧武』のマリカ…*1

どうして正式にライダーと呼ばれないのかは、彼女たちが「継続して力を行使し続ける」ことから弾かれていたから
わたしの観点ではもう一つが「特定の変身アイテム」を持たないから。

なぜ彼女らが変身できるの?という理屈付の部分を、なんとなーくというかうやむやにすることで、なんとか「女性が変身する」ことを成立させていたのがこれまででした。

で、ポッピーですが。めちゃくちゃきっちり仮面ライダーです
ポッピーはバグスターである。バグスターは仮面ライダーと同質の存在である。そして、ポッピーはバグスターであるか仮面ライダーであるのかを選ばさせられる…
むしろ永夢や飛彩ができないテーマをポッピーが担っていると言えます。

特定の変身アイテムこそ持たないのですが、仮面ライダーの本質を劇中で背負っているのは決定的です。
一方で量産型のニコはライダーと定義されていないところが線引きのキッチリさを示していますね。仕事が細かいぞ!

『鎧武』のマリカも「持続して力を行使し続ける」「特定のアイテムは持たない」のでほぼ初の女性カメンライダーに肉薄してるんですが、公式が彼女をカウントせず、ポッピーというキャラを新しく構築したのは、うやむやなまま成立させる気がなかったからでしょうね。
それだけ、決意と覚悟を持って女性ライダーを出そう!と思ったのだろうなあ。

上記のリンクでわたしは「番組と視聴者の双方が成熟することで実現する」と述べていましたが、つまりは『エグゼイド』ってそういうことなんですよね。この点からも『エグゼイド』が第二期平成ライダーの出した一つの答えと認識することができますね。


ただ個人的に一点、惜しむ部分があるとすれば…
それは、ポッピーが生身でないことですね。
いやぶっちゃけ、『エグゼイド』ってキャラクターの性格が薄いとこあって。ポッピー、女の子の姿だけど、女の子としての属性あんまり感じないのですよ…
とはいえ、もうここまできたら、この先はふつーに女性仮面ライダーが出てくることになるでしょう。だから、これは不満というか、期待です。
女性としての人生を背負いつつ、仮面ライダーになる女性キャラが出る日が楽しみです。


あとは車椅子ライダーだなー。

新壇黎斗

うぜぇ〜!
敵にとっても味方にとってもうぜぇ〜!!!
”触れることで相手のレベルを下げる”という特殊能力、めちゃくちゃ強いんですけどめちゃくちゃうっとうしいですね!素晴らしいな!

あと新ってなんだよ。いずれ真とか改とか言い出すのか。

なんて言いつつ、味方?になる流れの描き方はかなり好きですね。
まったく改心はしてないんですよね、クロト。自分の生き方自体に迷いはない。
自分が生み出したものに対する愛情に目覚めたことで、立ち位置を変えた。とても唯我独尊の黎斗らしいし、けれど、その感情はいきさつはどうあれ温かいものであるのは間違いないわけで。
主人公たちと共闘するために、主人公たちに同調する必要は本来ない。というところを抑えているのは個人的に嬉しいですね。

永夢の説得は、実際のところ黎斗には響いてないと思う。あれはむしろ、永夢自身(と視聴者)が共闘するのを納得するためにひねりだした理屈なんじゃないかな。
永夢がずっと黎斗のこと嫌いなのがいいですね。それでいいんだ。

なおわたしは超小心者プレーヤーなので、「99回の命がある!」って言われても「99回死んだらゲームオーバーだ…」ってなってしまうのでした。後ろ向きすぎるな…(回復薬を大事にしすぎて使うタイミングを逃すタイプです)

あとチマチマと

  • 飛彩はいつもどこから出てくるんだ
  • アスナ以外に看病する人がいないCR、大丈夫か
  • ニコ「なんでわたしだけコイツの気持ちを理解しなければいけないの?不公平じゃん」 まったく確かに。
  • 新社長・恋さんの回が担当に来るとはしゃぐ諸田監督好き
  • 院長!キャラ薄かったけどここにきてこんな!でもそれは目先の生き方すぎるので、立場使って手助けして下さい!(院長って肩書きもしや無力なのか…?)
  • 堀内監督は賑やかな画面作りがよいですね。バトルにスピード感があるし
  • クロノスの能力発動シークエンスがとてもかっこい。BGMをまったく使わないところが冒険的。

わたしと『エグゼイド』

さて、初めに「人情話が削られたことにより呑み込みやすくなった」と書きましたが。でもそれはそれとして、わかりにくいという意見もうなずくところは大だったりします。
というのは、登場人物の心情変化よりもバトルゲーム物としての展開の方がメインだからなんですね。そうすると、ここの感想もちょっと書きづらくなるんですよ。事実関係の推移だけ並べてもつまんないですし。で、そのバトルゲーム物としてもよく組まれてるなーとは思うんですけど、あんまりびっくりはしないし。

いやもちろん、わたしもお話にはすべからく人情が必要、という考えはないです。SFやミステリなんかだと、そこで追及されるジャンルの思考実験においては人間性など不要!むしろ邪魔!くらいの気持ちもあったりしますし(かといって、人情話があるSFやミステリを嫌うわけでもありませんよ念のため)。

仮面ライダーというテーマ追求はすごくよくやってるんじゃないかな、と思います。わたしは仮面ライダー専門家ではないのでそこまで踏み込めない案件ですが…
女性ライダーの成立とか、パラドのポジションとか、ついにここまでやれたって感じですもの。

うーん、なんだけど…

この記事も、分析して、言葉にすると、「おー!『エグゼイド』すごいなあ!大森P、高橋さん、すごいなあ!」ってなる。なるけど、楽しかった?って聞かれると、うーん。
いやまあ、新壇黎斗とか楽しかったけども。大我とニコには心がなごんだけれども。

バトルゲーム物としてよく組まれてる、けど。けども。お話としておもしろいか?って聞かれると、わたしは困る。それは、ちょくちょく書いてきたけど、印象的な台詞とか、キャラクターの描写とか、物足りないから。
役者さんたちもきっちり演じている分、はみだしはあまりないし(そしてその一方ではじけていく新壇黎斗である)。
やっぱり、物語を見てて何が楽しいって、そういう彩の部分は大事なんですよね。
あとやっぱり、何を守りたいのか……その心を、もっと描いて欲しい。「命は大切だから」ってのは、当たり前のことで。その当たり前のことを、高橋さんの言葉で聞きたいのです。前提だけでではなく。

相変わらずぐねぐねした記事で申し訳ありません。とはいえ、なんか見えてきたこともあります。すべて見終わってから、その辺は言葉にしたいと思っています。


(ところで今日初めて気づいたんですが、『エグゼイド』タグ付けてませんでしたね…なんてこった…自分にびっくりだよ)

*1:全員出せたかな?

放送時間変更

すっかり日曜朝8時で仮面ライダーは定着していましたが、2017秋から放送時間が8時→9時に変更になるそうですね。
仮面ライダーシリーズ 放送時間変更のお知らせ | 東映[テレビ]

変わるだけでなく、戦隊→ライダーの順番が、ライダー→戦隊になるそうで。
朝の情報番組が始まることによる時間変更だそうですが、順番が変わるのはなんでだろう?なんとなく、より早起きの低年齢層のために戦隊が先のイメージがありましたが。

プリキュアは8:30そのままということは、完全に順番が逆転しますね。
ああ、これで男性の「仮面ライダー見てそのままテレビ点けてたらついプリキュアまで見ちゃってさあ」の言い訳が使えなくなる…!これからは堂々と「見てる」と言えということなのかテレ朝!(わたしは良いと思いますよ!)

まあ、大昔は朝じゃなかったりしましたし(見てなかったけどさすがにそれくらいの記憶はある)、放送時間の変更はテレビ番組にとっては珍しいことではありませんが。

個人的には、リアルタイム視聴できる日が増えそうだな〜という感想。
しかし裏が『ドラゴンボール』と『ワンピース』か…困る人多そうだな…

(更新)2017夏新展開

第一報

仮面ライダーWが帰ってくる!?
新たなるビギンズナイト!? “あの街”の探偵が帰ってくる | 東映[広報]

まだどんなストーリーなのか、そもそも媒体はなんなのかまでわかりませんが…
さすが人気作!それに『W』はフォーマットがカッチリしているので続編が作りやすいってとこありますね。
完全なる続編、というのは平成ライダーこれが初めてなので、シリーズの新たな発展として楽しみにしたいと思います。

さて、第一報を目にしたときのわたしの第一声(心の中で)。
「フィリップは出るのかよ!!!?」
おそらく9割の人間が叫んだと思う(笑)。
なお、セカンドは「媒体は何!?」でした。

正式発表

ということで漫画だそうですね〜。
二人で一人の“彼ら”の新しい物語。その名も『風都探偵』 週刊ビッグコミックスピリッツで8月連載スタート! | 東映[広報]

脚本の三条さんが漫画原作者であることを考えると、なるほど妥当。しかし、ちょっと盲点でした。それだけ実写の刷り込みって大きいんでしょうね。
わたしは漫画までは手が回らないので、ただ心の中でエールを送っておきますです。
とはいえ実写の方になんらかのフィードバックがあるとおもしろいですねえ。

さて最後に。ただ一言だけツッコミを入れさせていただければ…
作画、とてもきれいな線で好きなのですが、この手のミステリ物はそろそろみんな『DETH NOTE』風のポージング&構図から離れようよ!!!

仮面ライダーエグゼイド 13話〜23話感想

おお、おもしろくなっている!!!

第二章と位置付けて良いのでしょうかね?13話〜23話は、貴利矢の死とともにゲーム病に深い闇が隠されていることが明らかになった12話を終え、13話からは主人公である永夢の謎を中心に、ついに幻夢コーポレーションに切り込んでいきます。

個々の目的で動く医者側とどんどん本来の姿を見せ始める幻夢側。要素が絡みあうストーリー展開は、正直ノれなかった第一章とは異なり、おもしろく鑑賞できました。
全体のストーリーについては、周回遅れですし、もっと語れているブログもあるかと思うので、ここでは、わたしにとってどこがどう良かったか?をまとめておきたいと思います。

ストーリーが本筋一本に集約

とにかくまあ、これが一番でした。
第一章でノれなかったのは、毎回のゲストストーリーがぬるいのと、メインキャラたちの動きが個別で進んでいくところだったのですが。
第二章ではゲストの割合は減らされ、大筋に尺が多く割かれるようになりました。
もともと、かなり設定面に力を入れているのは感じていたので、そっちが表に出てきてからは見ごたえがありました。
永夢の秘密も、言っちゃうと歴代の主役が抱えていた秘密よりは軽めなんですけど、でも「どうなるの?」と興味が惹かれる。それは、秘密があることそのもので引っ張るのではなく、情報を断片的に出し、そして出ることで局面が変わるように展開していたからだと思います。

ゲストストーリーがない方が見やすいのでは…と思っていましたが。どうもわたしにはそのようでした。


『エグゼイド』のゲストストーリーのどういうところに引っかかっちゃうかって話もしておくと。第二章だとこんな具合で。

医者は命がけ、って、その回のテーマとも関係してくるからそれはすごくいいんだけど。でもそれって、たとえば医者自身も感染の危険がある病気を扱うとか、戦場など過酷な現場で言うものであって。自分が手術しにくい病気にかかっていることは、なんかちょっと違くない?
あと、絶叫マシーンに乗れない少年の話も、特訓に付き合ってあげるのはすごくいいんだけど。でもそれって、克服しなくちゃならないことか?まず彼女に聞こうよ!恥ずかしいところを見せたくないという気持ちはわかるけど、21世紀的には強がるよりも自分の心を相手に明かして相互理解を深めていくべきじゃない?あとそれでダメっていう彼女だったらそれはそこが問題じゃない?

サブストーリーが雑だと、主人公たちが体現しようとしている主張までも雑に見えちゃうんですよね…だってサブって小さい話じゃないですか、メインに比べれば。でもそんな小さいものを大事にしてくれているから、大きな話も呑み込みやすくなると思うんですよね。

所詮サブだから気にならない、という意見もそうだなあと思うのですが。こういう意見もあるよ、ということで。


あ、でもバーガーはすごく良かった〜。

キャラが立ってきた

筆頭はやはり大我&ニコですね。コンビを組ませるとキャラが立つとは敏樹氏の至言ですが、真実ですな〜

真面目な永夢・ポッピー・飛彩という主役サイドは動かせないところなので、こうしたはっちゃけができる陣営がいるのは画面を彩りますね。しかもそれが闇医者というアンダーグランドなキャラの大我ですから、これはもうおもしろい!(ていうか、まさしくブラック・ジャックですなあこれ)
ニコもすごくかわいい〜。生意気なところが、憎らしさよりも素直になれない子どもっぽさであることが伝わる黒崎さんがとてもいいですね!ゲームで負けたから、という理由も、些細なことだけど彼女には重要なんだなーとわかります。

そして檀 黎斗!!!いやー、一回死んでからすさまじくキモくなって素晴らしいです!演じる岩永さんはお姿だけならうすあじ好青年って感じなのにな〜。第一章とのギャップが激しくてそれにとてもウケました。
グネグネ立ち上がるところとか楽しかった(笑)。

飛彩先生もツンデレが発揮されてきて、永夢とコンビが確立してきましたね。

あと永夢の秘密という軸を中心に全員が絡みだしたのはうまかったなあ。主人公がなにも知らず、知っているのは周囲と視聴者のみ、という状況設定は良いなあと思いました。
視聴者とキャラの間に共犯関係というか、キャラの動きに入り込みやすいというか。

台詞が熱くなってきた

台詞芸はもう少し尖って欲しいな〜ってのが個人的な希望なんですけど。
でも、「目の前の病気を治したいだけだ」と永夢本人に伝わらないように本心を吐露する飛彩先生とか、大我の「リスクは俺が引き受ける」というニコ曰くの素直じゃない庇い方とか、そうそうこういう使い方見たかったんだよ〜!というのが第二章ではちょいちょい見られて嬉しいです。

個人的にやはり脚本というのは、どれだけキレのある台詞をくりだせるか、が見所の一つと思っているので(小説は地の文も含めて戦えますけど、脚本は書いた言葉が直接視聴者に届くのは台詞だけなんですよね)そこんところもっと見せて欲しいなと思います。


あとバグスターの設定のひねり方とか、パワーアップがまさかの分身でキッズたちのごっこ遊びはどうなるんだとかもあるんですけど、ざっとこんな感じで。
ゲーム的に見た時も面白がり方もあるとは思うんですけど、わたしが全然ゲームしない人なんでそこは触れません。ゲーム好きな人ならもっと『エグゼイド』楽しめてるのかもしれないなあ。

『鎧武』の発展形、と言われているのが第二章に入ってよくわかりました。なるほど、ひじょうにシステマチックなところがあります。
ここまで設定に基づいたストーリーで展開されていく平成ライダーがついに実現したということは、第二期の大きな収穫でしょうね。それの何が強いかというと、ストーリー部分だけに注目して楽しむ層も取り込める、ということだと思います。第二章についてはわたしがまさにそんな感じ。
あー、それがゲーム性なのかもしれないなあ。書いてて気づいた。

個人的には思想戦が見たいところではあるのですが、それは終盤に期待するとします(大森Pにはその傾向があるようなので)。まだラスボスもわかんないしな〜。どうなるのかな〜。

ポッピー変身体は第三章か〜。女性仮面ライダーレビューについてはしばしお待ちを。
しかし最新話にけっこう追いついてきたぞ!次の感想書きもしばらく間は空きそうなんですけど、そのときはそれほど最新話と距離がないかも?
というわけで今回はここまで。ではまた。

おしむらくは、やっぱりレベル1があんまり活躍しないところ…!知ってた…!(苦渋)

仮面ライダーエグゼイド あらためて感想

先日、ひじょうに不遜な評を『エグゼイド』に対して述べまして。
ご指摘を受け、このままではいかんと思い、あらためて『エグゼイド』をじっくりと見直すことにしました。
『エグゼイド』に向き合おう!『エグゼイド』のことをもっと考え抜かなければ!

というわけでその感想です。とりあえずキリのいいところで運命の変転する12話まで。今回は冷静に。

造りのしっかりした番組

あらためて通して見てみると。よく出来てるなーというのが第一声でした。

謎のゲーム病とライダーベルト&ガシャットというアイテムとにまつわる陰謀。そしてそれを取り巻く様々な立場の医者たち…
設定と構成はかなりがっちりとしているんですよね。適合者、とか、幻夢の社長がどういう立場か、とかを、まずはちらっと見せてから、次の話(もしくはもう少し先)で説明する。チラ見せをあまり放置しないというか、伏線をきっちり伏線として使っているというか。
作りながら走っていくことの多い平成ライダーにおいては、かなり硬派な印象を受けました。

二等身ライダーとか、ポッピーピポパポ(合ってる?)とか、画面は極彩色でポップなんですけど、やってることは理詰めなんですよね。
けっこう、細かいところまで詰めて考えて作ってる感じ。
大我もそりゃキレるよな…みたいな気持ちにもなりました。

でもなんか印象が薄い

しっかりしすぎている、のかもしれないなあ。
なんでしょう。こう、メリとハリがあまり強調されていないというか。

たとえば。永夢の二つの人格なんですけど、「変わった!?」みたいな気にならないんですよね。普段は頼りないけど、ゲームとなると尊大になる、なら伝わるんですけど、ゲームとなるとちょっと強気になるくらいの印象なんで。いや、よく見ればココとココが対比されてるよ!というのもあるかもしれませんが、もうちょっとドカンと差がないと…

登場人物も、俺様執刀医とか闇医者とか嘘つきの監察医とか、しっかり設定がありキャラが描き分けられているんだけど、その表現が穏当で、ドカンと記憶に残らないんですよね。

というのは、画面が極彩色でポップだから。そしてこれが仮面ライダーという番組だから。

要素が多いんですよね。特徴だらけ。そこでお話や登場人物の印象も付けようとしたら、大げさにしないとならないんだ。

これは今回、あらためて『エグゼイド』を見ていて気付きました。そうか…今までのぶっ飛んだ演出とかキャラ付けとか、必要性があったんだな…いや意味があったのは重々承知なんだけど。やらなきゃならないことだったんだねえ。
イイ奴がイイ奴なのは当たり前だもんね。どんな風にイイ奴なのか、知りたいものね。
設定がしっかりしていれば大丈夫、というわけではなく、「見せ方」というのはやっぱり重要ですね。

この「言わなきゃ伝わらないよ」というのは、患者たちに通じるものがある…
きみら、ストレスの原因が似通いすぎだ!大事なことを隠して突っぱねる・耐え忍ぶ、というのが美学なのはわかるけど、周囲の人間にしてみれば困るだけだよ!!!ていうか、すれ違い方が昭和過ぎる…21世紀なんだし、もう少し進歩的に対話しようぜ!
正直、ゲストパートが予定調和すぎて個人的にここがつい流し見してしまいそうになる大きな原因だったりする。
本筋や主な登場人物はしっかり作っているので、ここも整備してほしいなあと思う。ゲストパートもしっかり立てることで絡める物語や登場人物も立つんだからさ。

あらためて見直して

丸一日腰を据えて、じっくりと『エグゼイド』と向き合いました。ちなみに有給を使った。なにやっとんじゃ(いや消化しなくちゃだったので)。
わたしは、無難っていっちゃったんですよね、この作品について。
ただそれは、詳細な分析は省いての一足飛びの感想でした。
今回、あらためて見直して。細かく、よく作っているな、と思いました。ここは本当に認識不足だった。
そして、なぜわたしが見直すまで印象に残らないと思ったのか。見せ方が、穏当なんだ。

愛着というのは、隙に湧きます。眺めていて思わずツッコんだり、気にしたりすることで、存在感が増していくのだと思います。
そして、そこから、キャラクターの生きざまが立ち上がってくるのだと。

『エグゼイド』には隙が少ないのだと感じます。
展開がポンポン進んでいく一方で、キャラをじっくり見せる時間が少ない、というのがまずあるうえで。
飛彩がリズムゲームができなくて身動きできなかったのはちょっとおもしろかったけど、ただ棒立ちになっているだけだったから、印象に残らなかった。幻夢の社長も、「水晶のようだね」とか言い出した時はヘンな人だなと思ったけど、それ以外では特にポエムは語ってくれなかったし。パラドの「心が躍るなあ」はポテンシャルを感じるので、不意を衝いた瞬間に出してほしいと思います。
ポッピーピポパポとか、衣裳と名前は飛び道具だけど行動は常識的だし。
煽らない、というのもあるな。やっぱり、ハッタリはある程度必要なんだなあ。

設定を作りこむことと、見ていて楽しいものを両立させるのは難しいことだと思います。あちらを立てればこちらが立たず。
設定を作り込み、しっかりとした構成で進んでいく、というのはこれまでの平成ライダーでは叶わなかった部分なので、『エグゼイド』の見所はそこなのかもしれないな。
でもせっかく変なことのできる枠なんだから、変なことしなよ!とは思っちゃうんだけど。まあそれは単にわたしの好みの問題だな…

ともあれ、今回見直したことにより、『エグゼイド』としっかり向き合えたと思います。どこがいい面なのか。そして、どこが引っかかる面なのか・どうして引っかかるのか。
自分にとってそれほど…なとき、深く見れないのはしかたのないことですが、それで放言してはいけませんね。そういうときはただ距離を置けばいいのだと、わかっていたつもりだったのですが。たくさん感想を書いて、自分は見抜けるんだ!と驕りが生まれていたのでしょうね…ごめんね『エグゼイド』。
うむ!