double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

中島かずき×宮田慶子『真田十勇士』

9月14日(土)18:00の回、行ってきました〜。
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えーと、今回はネガティブな感想です……いや、そんなもんわざわざ書かんでも、とスルーかまそうかと思ったのですが、あんなに朗らかに「チケット取りました!」と言った手前、やはりやらねばやらんだろう、と。
というわけでそこを了解した方のみ以下どうぞー。

真田十勇士
脚本:中島かずき
演出:宮田慶子
出演:上川隆也柳下大倉科カナ 他
赤坂ACTシアター


うーむ。
どこまでも無難な薄味と表わせば良いのか。こちらの体調が良かったもんだから集中力を持て余してしまったよ!でもそうでもなかったら寝てたな。

お話は真田十勇士大阪夏の陣・冬の陣。そしてそれ以上でもなければそれ以下でもありませんでした。
いや、後半どんでん返しがあるわけですが、そこまでに持っていく伏線が薄い!キャラも薄い!つーか話全体がほぼ箇条書きみたいなもんで全然身が入らなかった。
わたしが中島脚本に慣れてるってことでもない。だって、ちゃんとおもしろくしてあったら、お約束をむしろ楽しむもの。そうならず「ハイハイかずきかずき」ってなるのはお客さんとして残念だよ。そして中島脚本がこれが初見だったとしてもたぶん驚きにならず「へ」って感じだったと思う。

だいたい、しょっぱな状況説明もキャラ紹介もなく、それでもってお話の派手さもなく進むってどうなのよ。真田一族という背景を説明せずに入るってのはどうなのよ。みんな知ってるとしても説明するのがお話でしょうよ。「この舞台における真田一族および十勇士」の説明が必要でしょうよ。
あとなー。殺陣にSEあって良かったんじゃないか?だって、マジメにやるようなストーリーじゃないじゃないよ。もっともっとエンタメエンタメさせたらもうちょっと見れたんじゃないか?

なんというか、中堅以下くらいの週刊誌に載ってる劇画、って感じだった、全体的に。

わたしはあれにスタンディングオベーションはできん。

なにがどうしてこんなもんに?とずっと考えてた(ほかにやることがなかった)んですが、別に中島さんが悪いわけでも宮田さんが悪いわけでもないとは思うんですよ。クオリティが低かったわけじゃないから。で、出てきた結論は二つあって、一つは「一般向けに濃度を下げた」。もう一つは「脚本と演出の食い合わせが悪かった」。内容が凡の凡でも台詞のテンションやキャラの濃さ、あるいは演出で舞台は化けます。今回はそのどれもが起こらなかったんだ……

かっこいい役者をそろえて、音楽に力を入れて。
商売として考えればこんなもんでいいのかもしれません。が、わたしは生で見るモノにはもう少し気合を求めたい。2時間から3時間拘束される上に、映画と違って能動的に台詞や動きを見なければならないのが舞台演劇です。
お金を捨てたとは言わないけど、時間は消費してしまったな……

上記の要素があればいい、っていう方でしたら損はないかもしれません。繰り返していいますがクオリティは低くないから。
舞台は集中して味わうもんだ、って人には、つらいと思う。時間が長いから。


渡部秀in『真田十勇士

まあお目当てがかっこよかったのは良かった。さすがに値段分とは言わないけど、収穫はあったから。
……でもお目当てがいなかったら行ってなかったんだよなー。痛し痒し。

渡部秀さんは今回は、真田幸村の息子役でした。思ってた以上に意味のあるポジションで、そして見せ場もあっておいしかった!
…はずなのに、おいしくなかったのはなぜと問いたい。なんでや!重要な役だったじゃん!
この辺ははっきりと演出に不満……ていうか、秀さんに限らず、全体に役者さんがもったいな過ぎた。上川さんはご自分で出来るからいいとして、若い役者さんはもっと盛り上げてやってよ!ただ力不足なのだったらわたしも何も言わない。ポテンシャルが見えるからもったいないんだよ……ここで伸びたろう役者さんもいただろうに……

渡部さんの良かったところ。殺陣がかっこよかった。あと発声が想像していたよりもずっとうまかった。あれが出来るならこの先も大丈夫だ。
渡部さんの残念だったところ。肩に力が入りすぎ、タイミング図りすぎ(苦笑)。
いやでもさー。これ、稽古で演出が注意してやればなんとかなったんじゃないかって感じがするんだよね。そーゆーところが不満なんだよ!

しかし、仰向けに倒れる死に様はかっこよかったです!ポイント加算!


赤坂ACTシアター

今回一番良かったのは、この劇場で見れたことかもしれない(笑)。
いや、いい舞台でした。ここ、TBS系列のドラマタイアップなんかだけで使って欲しくないなー。
まず、縦も横も高さもあって、立体的に展開できるのが良し。今回殺陣がなんかもうちょっと気合が足らなかったのがマジもったいない。あんなセットも組んでたのにさー。
次に、音響!大音量でも全然耳が痛くないんですよ。よく響くし。ミュージカル見たいな。
最後に、客席。わたしは2階席だったんですけど、すごく見やすかった。椅子のすわり心地も良かったし。そんなに広いわけじゃないのに空間に余裕があるんですよ。かなり快適でした。


役者は良かった

上川隆也はさすがの演技力。さいご、中島みゆきのテーマソングをバックに一人戦い抜く姿は卑怯。そらかっこいいわ!
20秒くらいしかない里見浩太郎の殺陣がめっちゃかっこよかったです。
賀来千賀子はなんか、声が出きってなかった……
粟根さんと潤さんの安定度よ。出た瞬間、びしっと締まるなあ。さすが。


まあ、こんな感じです、わたしの感想は。
なんだかなあ。


以下愚痴

しかし今年は全体に芝居の引きが悪すぎる…わたしなんかしたかい。
お金はいいんだよ別に。いやよくないけど、そこは芝居を見に行くってのはそういうことだからいいんだ。
2〜3時間拘束されて集中するように言われてこの中身っつーのがキツいんだ。
3000円の舞台でも、10000円の舞台でも、無名新人しかいない劇団でも、有名俳優をかき集めた公演でも、それは等しく一緒です。

ロミジュリはおもしろくありますよーに!!(祈)