double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

ジェラール・プレスギュルヴィック×小池修一郎『ロミオ&ジュリエット』

10月3日(土)18:30〜の回見ました〜。
と っ て も良かったです!やったぞー!!!

いやー、ふと耳にした歌声に心つかまれ、飛びつくようにチケットを手にしましたが、正解!久方ぶりにイイ仕事をしてくれた自分!
実はここのところ選んだ舞台をハズしてばかりいたもので…。ああでもこれでとりあえず2013年にいい思い出が残せた。この先のチョイスがコケていたとしても許せる。

以下ネタバレ感想ですー。


『ロミオ&ジュリエット』
脚本:ジェラール・プレスギュルヴィック
演出:小池修一郎
振付:TETSUHARU(増田 哲治)
出演:ロミオ/城田優、ジュリエット/フランク莉奈、ティボルト/加藤和樹、ベンヴォーリオ/尾上松也、マキューシオ/東山光明、パリス/加藤潤一、死/中島周
東急シアターオーブ


華やかな舞台でした!お話は暗いんだけどね。
てゆーか、なによりともかくみんな歌がうまい!本当にうまかった、若手もベテランも。
こーいうのは一人くらいはビミョーな人がいてもおかしくはないんだけど(悲しいことにね)今回は誰も悪くなく、ただひたすら歌に酔いしれることが出来ました。素晴らしい!

お芝居として、テンポがすごく良かったと思いました。2011年日本初演ver.はネットの感想を流し見してみるとあんまり良くなかったんだけど、2013年ver.ではやっぱり演出を変えたんじゃないかな。2013年の他の方の感想は見ていないので、自分の感じたままだけ述べますと。
歌と歌の間隔が狭いんですよね。台詞のシーンがほとんどないといっていい。歌にすべての焦点を当ててきていて、役者がそれに応えられたというのがこの舞台の成功なのかな。

ロミオとジュリエット』って結局は若者の恋話じゃないですか。シェイクスピア脚本片手にその豊富な語彙の台詞を使いこなすのでなかったら、これくらい歌に集中してもいいと思うんですよ。2011年ver.の批判で多かったのが「心情の変化がわかりにくい」だったんですけど、わたしが2013年に見た感じとしては、そんなねっちり見るような舞台ではなかったです。主演の城田さんとフランクさんが再演ということで解釈が深くなっていたというのもあるかもしれませんが、「『ロミジュリ』を再解釈」というよりは「『ロミジュリ』みんな知ってるよね?じゃ、それでいこう!」って感じがしました。
まあもうみんな上手いんで深く考えず歌に聞き惚れるのが吉。そういう演出になっていたように思いました。

登場人物がケータイ使ったり、ロミオが場末のキャバレーに立ち寄ったりする、いかにもな現代演出は、まあサムいっちゃサムいけど、観客は若い人が多くてウケてたから良しだと思います。

そう、客層、若かった。たぶん城田さんや加藤さんのファンが来てたんじゃないかな。

というかこの舞台が全体的になんか若かった。正直、ちょいと場違いな気がしたくらい…ってわたしもそんなに年齢が上のわけではないんですけどね。なんというか、舞台大好き!って人が来るというよりはもうちょっとカジュアルな感じでした。
それでこのレベルですから、これはすごくイイですよ!
「ミュージカル見に来て!」っていってもハードル高いじゃないですか。なんか劇場はしかつめらしいし、内容は難しいし。
かといってわかりやすいミュージカルとなると、それはその場の娯楽で終わってもミュージカルというジャンルへの興味に繋がらないことが多い。
この『ロミジュリ』は、話は難しすぎずわかりやすすぎず、若いキャストで人は呼べるし、で見せるのがあのレベルですから。ミュージカルというものへ興味を繋げられたんじゃないかと。今後「目当ての役者さんがいなくても、おもしろそうだから行ってみようかな」と思わせられたんじゃないかなと。そんなことを思ったりしたわけです。


まあそんな妄想はともかく、舞台のお話に戻りますと、ダンスも良かった
「死」の象徴としてのダンスももちろん、チームキャピュレットとチームモンタギューの若者たちが良い動き。
なんかわたしがこれまで見てきた舞台上のダンスって、演技のためのダンスって感じだったんですけど、今作ではちょっと独立してちゃんとダンスって感じで、迫力が違いました。これは近い席で見て欲しいなー。

あ、そうそう、席と言えばシアターオーブのS席は良い席!1階なら後ろの方でも横の方でも、どこから見ても満足できます。ここはマジおすすめ。
前にB席3階で見て死にそうになったんで…落差が激しいな。S席2階はまだいったことないんでわかんないです。

歌はみんな上手い!
城田さんは、予想していた以上でちょっと驚いたくらい。ダンスもめちゃくちゃうまいしなー。あれは惚れるわ。
っていうか、演技もすごいね。TV『SPEC』で上手いのはわかっていたけど、ここまで細かいことが出来るとは。
城田さんのロミオ、青年と言うよりも少年なんですよ。で、だからこそあんな風に恋に突っ走ったり激情に駆られて人を刺してしまったりすることが納得できるんです。青年だったら「馬鹿じゃないの」と思ってしまう部分があるじゃないですか。でも少年なら仕方がない。でも、あの顔で少年ですよ?雰囲気をあれだけ操作できるのはすごいなあ!

フランク莉奈さんも歌めちゃくちゃ上手い。いや、難しいよあれ。感情を乗せたままあんな難しい曲やらなきゃならないのがミュージカルの醍醐味であり難しさなんですが、一回もブレなかったもん!これはこの先楽しみだなー。

ほんでもって加藤さん。風間歌うまいな!ごめん、あれほど細かい技を持っているとは…声量もすごい。アクションもキレがあってかっこいいしなあ。もうこの先ミュージカルメインで活躍しないかい?(←勧誘)いやマジで、この先加藤さんがキャストに入っていたらそれだけで見に行ってもいいな。あとはもうちょっと歌を演技に寄せてきてくれたら言うことないな。

ほかもみんな上手かった。もう本当に上手かった。ベテランのソロがあるのも嬉しい。石川禅さん、響き渡るぜ!
群集シーンのさばきはさすがの小池先生。仮面舞踏会のあの流れるような人の動き、ほとんど快感に近いね。

1シーンだけ城田さんのマイクが故障しちゃったんだよね。それは残念だったけど、でも傷にはならなかった。ダンスでカバー出来ていたしね。ああでも3階席の人には辛かったかもなあ。


名作、というより、質の高い良作って感じかな。確かに演出を一歩間違えると…という気はする。うまくもってきたね。
うむ。素晴らしい舞台でした!