double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

平成ライダー対昭和ライダー仮面ライダー大戦feat.スーパー戦隊

ごめん、おもしろかったよ!(なんで謝るんだ)
いやあ危なかった。前売り券の付録につられたんだけど、行ってよかった!見逃して後からこの内容だって知ったら、ちょっともったいなかったな。

おう。といってなんかすげえ画期的な転換があったとかいうわけでもなく、大きな流れはいつもの春のお祭り映画なんだけど(と言って「Z」は未見)。でも、そうだよな…「ヒーロー大戦」だってオチがオチだったのを抜かすと途中までは普通におもしろかったもんな…

個人的には春のお祭り映画(個人的に「ヒーロー大戦」でひとくくりにしている)の中で今作が一番良かった。たぶんだけど、平成批判という内容に一つ芯というかコンセプトがはっきりとあったからだと思う。いつも、昭和を出すとか40周年を祝うとか、そういう出物での意味合いしかなかったもん。だから途中でダレるんだよな…
死者に対する思い入れという物語上のテーマに、メタ的テーマが重なったことで、わりと意味のある作品になってたような気がする。まあ、ゆって平成VS昭和っていっても、それほど特別視しなくていいのかな?って思うけど、とはいえ白倉P的に思い入れの深いだろうたっくんをついに出したんだから、ちょっと違うところでこの映画の意味は濃いような気がする。

というか、もうね。画面の集中力がハンパないの。カメラもだし、役者さんもだから、つられてこっちも集中しちゃうのね。


ちなみにこの感想は、昭和をまったく知らない平成ライダーファンのものになりますので、ご注意。

『555』ふたたび/オリジナルキャストがもたらすもの

たっくん!たっくん、生きていたのか!!!
というか、回想シーンであれ?ってなった。どうも本作の『555』は本編とは違う、別の流れを経たものだったようで。…しかし、じゃああれ新撮かよ贅沢だなあ。
んで、この本編とは違う流れにおける草加の死がたっくんに影を落とし、それがこの映画のキーになるわけですが。このあたり、なかなか人によっては受け止め方が難しいでしょうね。
わたし的にはアレはありかな。ああいう結末もあったろうし、あったら確かに草加は呪いをかけて死んでいきそうだし、そうなったらたっくんはやっぱりああいう風になったろうと思うから。
個人的な脳内設定であれは10年後じゃなくて5年後くらいかなー。さすがに10年は悩みすぎだ。しかし、それでも啓太郎の家にいたんだねたっくん!それだけでもうなんか泣ける。


というか、わたし、たっくんを出すのならむしろこの処理で良かった。いや、あくまで、私個人としての心情です。
というのも、やっぱり観る前、いろいろ考えたんですよね。オリジナルキャストを熱望する一方で、それがなにをもたらすのか。
過去のオリキャスが出てくる番組として、戦隊だけど『ゴーカイジャー』がある。わたしは戦隊を知らないけどすごく楽しんで見ていたし、スタッフはすごく気を遣ってがんばってたと感じた。でも、その『ゴーカイ』でも許せないって人はやっぱりいて、わたしはそれについて当時は単純に「あそこまでがんばっても駄目なんだ、難しいなあ」くらいに考えていた。
でも、ライダーにたっくんが10年ぶりに出るって聞いて、最初は嬉しかったけど途中から怖くなってきた。テレビ番組っていうのは、どうしても生もので、そのときそうなるしかない形で完成する。登場人物のその後を描くということは、そのとき完全にパッキングされた作品に、新しい意味を付与するってことなんだ。
自分の身に迫ってきてはじめて『ゴーカイ』に対する不満の意味がわかった。新しい意味を付与されても受け止めきれない。だって、それはやっぱりあのとき完結したあの作品とは違うものになるからだ。

だから白倉さんはいつもオリキャスを出すとき微妙に設定を変えたり、全員つれてきたりしないのかもしれない。
といって『ゴーカイ』が悪いという話ではない。ただ、よくできてる・できてないの話じゃないんだね。あれは、歴史すべてを地続きにするという覚悟を引き受けてできた一つの完成系だとわたしは思う。

あ、でも、とはいえ今回のこれが地続きver.だったとしてもわたしは別に構わなかったよ。ちゃんとおもしろければ。

しかし、『555』は次点とか言ってるわたしですらこうなので、ファンのみなさんはもっと動揺されていることでしょう。…わたしも思い入れの強い『龍騎』の真司とかきたら、ちょっとどうなるかわかりません。


草加は完全に怨霊。あいつはああいうやつだよ!
神さんに問答無用で殴られるたっくんにちょっと笑った。平成にはない流れですね!そして晴人に口説かれる(違)。…でも、ああいう風に殴ったり、口説いたりしてくれる人がいるのはたっくんにとって良い気がする。啓太郎と真理がいるけど、彼らはあまりに儚いからね…

っていうか、巧彷徨のシークエンス長!さすが米村さんタメが長い!
客席の戸惑い(笑)。いや、いい話だし意味があるのはわかるんだけど、あまりにも昭和人情話。
たっくんと対峙するのがXライダーさんということにきっとなにか意味があるのだろうけれど知識がないのでわからない。

そのほかのみなさま

士は、太った…?と一瞬思いましたが、違いますね。ムキムキになっただけですね。アクション映画やってたもんな。
顔が小さいから、アンバランスに一瞬見えちゃうんですよね。
相変わらず足が長い!風都カフェでの座り方がかっこよすぎる。
しかしさすが、なにをやっても士は士だなあ!脚本が米村さんってのもあるでしょうが、もうそれ以上に井上さんが士なんでしょうね。紘汰にかみつかれて、反論するでもなく真意を伝えるあの辺りは、すごいなあと思いました。
士が画面に現れてから、あとは完全に主役になってて笑った。さすが世界の破壊者…
しかし、「死に場所を探してる」って、さらっと重い設定にしないでくださいな。そこまでかわいそうにしなくていいんじゃないかな!

翔太郎も、すごいな、画面に現れたらもう翔太郎だもんな!
さりげなくここで言うとわたしはジョーカーの存在意義がいまだによくわからないのですが、あれがもし、フィリップがいなくなっちゃってでも一人でがんばってる翔太郎、ならわたしは好きだな。
とか言ってたら最後の方でちゃんと通常形態になってますが。

戒斗さん愉快なことに(笑)
兄弟変身!兄弟変身!…よかったね貴虎兄さん、ミッチが心配してくれたよ(笑)。
なぜかマンゴーとキウイが大活躍。なにかしら、撮影時期の都合かしら。嬉しいけどな!

紘汰は動かすの難しいキャラなのかもしれないなーとちょっと思った。ヒーロー未満一般人以上、ってところだもんねえ今のところ。
ちょっと士に食われて影が薄くなってたけど(あれはあいつが悪い)、傷だらけになって立ち上がるところ良かったよ!
しかしもう、1号フォームのわけわかんなさがすげえな。

フィフティーンさんはあばら骨から武器を作り出すというコンセプトが好きです。地獄のアダム!
変身シークエンスからのあのデザインはかっこいいですね。
しかしちょっと前までは兄貴が大暴走するのがデフォでしたが、博物館の館長といい白い魔法使いといい、最近は親父が聞く耳持たねえのな。

まさかのガチ説教

それにしても。
今回のコンセプトが「昭和ライダーVS平成ライダー」で、お客さんの投票によって勝ち負けが決まる、というのが最大のウリだったわけですが。
いやあ、その対立原因がまさかの平成/ナイーブ批判とは!映画館じゃなかったら噴き出してた。どんだけメタなんだ!いいぞ、愛してる(笑)。

「お前たちの死者に対する未練のせいだ!」って昭和ライダーに言われて心当たりがみなありすぎる。胸が痛むよ!あそこに龍騎がいなかったのは、シャレにならなすぎるせいですか?
本当に、どっちが勝とうが負けようが、って気持ちだったんですけど。まさかのガチ批判だったので、平成ライダーに心救われた身としては、平成が勝てて良かった。認めてもらえて良かった!うう、「なまぬるい優しさ」で救われたやつもいるんだよう。

昭和が優勢で、しかし平成の心根に負けを認めるって流れは、両者に花を持たす形で良いですね。
しかし、花一輪(笑)。いやあれはたぶん笑うところ。ポエムじゃなくて、たぶんだけどあれはギャグ。


死者を死者として受け入れる。ってテーマは、このご時世としてかなり際どい印象がありました。でも、それは悪い印象じゃなくて。よくやったな、って。
いや、コヨミちゃんとかいますが、今回のこれは普通の少年(しかもゲスト)なので、なんというか生々しさがあるんですよ。
たっくんの背負っているものとリンクして、なんかちょっと手触りが重い。だからこそ、良いな、とも思うのですが。うーん、ちょっと処理しきれない。

あと雑感

しかしラストの和解からの流れが腰が砕けるにもほどがある(笑)。米村さん一流のギャグなんだとは思うのだが…すんません、わたしごときにはついてけねえぜ!
…米村さんの作風には、どこか80年代漫画楽屋オチを連想する…

昭和ライダーのみなさんの「変身!」はさすがに重みが違いますなあ。個人的には村雨良がかっこよかったです。
「内部に入り込んで機を狙っていたのだ!」(ウロ覚え)って、あ、知ってる知ってる、この流れ知ってる(見に行った人8割の感想)


それにしても東映の物量のさばき具合はなんかどんどんすごい域に入っていってやしないか。あまりの連打にだんだん変な笑いがこみあげてきたよ。
あれも含めて柴崎監督オンリーなのかな?「夏目と右腕」って番組で特撮監督の佛田さんがゲストに来て番宣してたんだけど、その打ち合わせの席に金田監督がいたんだよね。補助入ってたのかなあと思ったんだけど。パンフは売り切れだったので確認もできていないし、よくわからない。クラックから全ライダーが落ちてきてキメポーズ、のあたり、金田監督が撮りそうな気がしたんだよね。すんませんニワカが偉そうに。*1
ところで、「全員ヘルヘイムの森で無事だ!」って言われて、「えっ、あそこで?」と思ってしまった。なんか長時間いたくないんだよなあそこ…

feat.スーパー戦隊のみなさまは、え、いま来るの!?みたいな躊躇いのない投入具合がすさまじかった。勢いにすべてが持っていかれる。そしてダイゴもライトもなんの疑問もなく笑顔なんで全部許す。キッズは大喜びだったので成功だと思います!
巨大戦は戦隊に任せた、って発想にちょっと微笑む。そうだよねー。
トッキュウジャーの、5人で揃って変身ブレスを構える瞬間が、あまりに揃いすぎていて痺れた。あれ、相当すごくないか?まだ本編始まるか始まらないかの時期の撮影だよね?
そんでもってデンライナーキョウリュウジャーレッシャー(かわいい)でトッキュウオーと特別合体!お祭りすぎる!そして一回頭になるも押し出されて足になるデンライナー(笑)。うまいなあ、扱い。
とにかく全体に目が回った(笑)。すごいよー、この映画!


もっかい見たいというか、なんかさすがに動揺しているらしく、たっくんの辺りの情報が処理しきれていない(笑)。

*1:コメント欄でご指摘いただきました。映画の話ではなく『鎧武』23話の打ち合わせだったそうです。