double standard

平成仮面ライダーへの思い入れを語ります。現在は更新停滞中。

仮面ライダーゴースト ざっくり途中感想(〜21話)

年末に更新し損ねたので、このような中途半端なタイミングにございます。
なので登場人物個別とかエピソード個別とかではまとめられないので、この時点(21話)でのざっくりとした感触を語りたいと思います。
途中経過ってとこですかね。

テーマ

『ゴースト』のテーマは「命」。
命とは何か?生きるとはどういうことなのか?
注目すべきは、やはり「命」の対極である「死」を射程に含んでいること。そもそも主人公、ガッツリ死んでますからね。

個人的には、敵対勢力である眼魔がきちんとしたバックボーンを持っていそうなところに注目しています。
彼らは、おそらく完全なる死者ではないが、限りなく死に近い存在。変身するライダーが「ネクロム」ですからねー。おそらく死霊を操るネクロマンシーという言葉からきているものと思われます。
アイコンをそろえると発現する結界に、彼ら眼魔も阻まれているところから、完全なる死者ではないと思われます。しかし、そういうある意味で中途半端な存在がゴーストとアイコンを取り合うという構図が、もうそもそもひじょうに危うい。
そういう危うさを、はっきりと設定して勝負しているところに、わたしは『ゴースト』の面白さを見ています。

現在のところ、「”個人の命”には意味がない」という主張からして、眼魔は(『鎧武』フルスロットル的な)「集合体としての安定」を求めているのかな?そこに、地上世界に触れて、個人的感情という新鮮さを味わっているアランがどう変化していくか…というのがポイントでしょうか。

命とは、確かに究極的に個人的なもの。一方、死というものは、ある意味ですべての生命に対して平等であるともいえる。
死というものは甘く優しい。けれど、その誘惑に抗して、人間は生きたいと願うのです。
すぐにわたしたちは弱さから誘惑に屈してしまう…それを、『ゴースト』はどう背負い、闇を払うのか?
この対立構造は、ひじょうに先鋭的で、ワクワクします。仮面ライダーは、個としてのヒーローなわけで、そこもつながっていると言えますし。
攻めてるね、『ゴースト』!

脚本

全体として作りのしっかりさには目を瞠ります。ベテランの仕事だ…
テーマの表出、謎の出し方と回収、スピーディーな展開と、やってることは複雑ですが、見せ方としてはとてもスッキリしている。流し見でも把握できるのは大したもの。個人的にはこれほどしっかりした脚本を見られるのは嬉しいです。

とはいえ…キャラクターの描き方には、不満というか、うーんもうちょっとキャラ立たせてくれたらナーと思うのも事実。

ていうかマコト兄ちゃんがね!仲間になったと思ったらすぐ操られるし、「タケルと幼馴染」以上の情報がなさすぎるよ!タケル殿がなついているからこっちもそういうものかと思って眺めているけど、よくわからない人だよ!

タケル殿もね。すんなりいい人だけで、追加情報とか、補強とかないんだよね。

とはいえ、それがゆえに、タケルという人物を成立させている西銘さんは、演技ほぼ素人だっていうのに、すごいなーと思う。タケルは、西銘さんだから存在できているとわたしは思うよ。
アカリちゃんや御成くんとかも、そう。役者さんの力によって、『ゴースト』のキャラは生きている。それは、人が演じるものとして素晴らしいことだし、ならではと言えるけど、でもね。脚本でも、もうちょっとキャラ立たせてほしいと思うよ。

全体にゆるめと見せかけて『ゴースト』は筋しかおっていないと言える硬派なストーリー展開です。ある意味で『鎧武』と似ている。
遊びの回があったらいいのになー。

キャラクター

まあうえでちょっと触れたんですけど。
でもタケル殿好きだなー。素直だよね。

西銘さん、すごいなーと思ったのはわりと最初の方で。変身する決意が固まったあたりで、ガラリと「変身!」の掛け声のいい方変えてきたんだよね。意思を持った感じに。それからは動きもキッパリとしたものに変わったし、それだけでタケル=仮面ライダーゴーストの頼もしさが出てきて、感心したのです。
脚本ではおそらくあまり強調ポイントがないタケルを、隙あらば表情をコロコロと変えてくる柔軟さも注目点。あれだけ早い時期から高岩さんと連携とれているのはすごい。
というわけで、わりとわたしは、西銘さんがタケルだから『ゴースト』を信頼しているところがあるのです。

御成はなー。柳さんが素晴らしすぎるよなー。
かなりウザイけど愛せる、というさじ加減、見事。個人的にはヒロインというより、タケル殿のオカンと見ています。褒められて泣くほど喜ぶって、なんかお母さんっぽい(笑)

あと何回も言っていますがアカリちゃんが好きです。ちゃんと理系のめんどうくささが出ているのも良し!
ただ、脚本があまりにもタケルとの関係に一線引きすぎているのでポジションが御成に負けている気配を感じます。別にラブ推しじゃないけど、もうちょっと男女に描いていいと思うよ!

マコト兄ちゃんは…おきれいな顔っすなあ(出るたびに言ってる)。いや、かっこいいんだけど、それ以上の情報がなさすぎて。
ちなみに先日街を歩いていたら、五歳児くらいの男の子が『ゴースト』の話をしておりまして。
「それでねー、そこでマコト兄ちゃんが出てきてねー!」
…幼児にすらそう認識されているのか…

アラン様。微細な表情をしっかり表現されていて、こちらも感心しきり。これからの動きが大変気になります!
あとガンバライドのCMに笑いが抑えきれません、すみません。


登場人物が徐々に増えて行って、ついには眼魔側の幹部クラスも見えてきました。さてさて、どうなるってとこですね。

アイテム

御多分にもれず、サングラスラッシャーに戸惑いの念を隠し切れてません。だって、お父さんの魂との会話という熱い展開の後にアレきたから…「メガマブシー!」とか言われたから…
いや、眼玉モチーフだからね、そう来るか!っていうのはあったけどね!?

とか言っていたら目薬がきたですよ。びっくりしたよ。でもアラン様の点眼ポーズが優美なのでちょっと真似したくなってます。
でもさー「オメガウルオウド」ってすごいよね、思わず聞き返したからね(相手はテレビです)

いや、でも、まじめな話、このモチーフ統一具合、評価します。こういうのすごく好き。

あ、あと、英雄の魂にちゃんと女性もいてえらいなーって思いました。いや、男女平等とかいう話抜きで、バリエーションとしてやるべきだから。でも難しいよなーと思ってたから、臆せずチャレンジしたところが高評価です。やればできる!
でもなんでcv.関智一

てな感じそんな感じ

こんなところかな?あと劇伴めちゃめちゃカッコイイとか、演出をほぼ諸田監督と山口監督の二体制で回していることおよびそれによる画面の統一感とか、もうちょっと言及するところはあるけど…すみません時間切れだ。

キャラクター物という部分では惜しいところもあるけれど、全体によくよく準備をして腰の据わった進行をしているこの作品がわたしは結構好きです。この先どこへ連れて行ってくれるのか楽しみ。
攻めの姿勢がみられて嬉しいですよ。